「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「レクサス IS250C」だ。

オープンカーではボディ剛性の低下によりハンドリングや乗り心地が悪化していることも多いが、IS250Cではボディ剛性の確保には相当に力を入れたとのこと。オープンカーにありがちなスカットルシェイクをまったく感じなかったことには、大いに感心させられた。

また、ボディがたわんでタイヤの接地性が落ち、ライントレース性が悪化するようなこともない。開発時には欧州のライバル車を調達し、並んでアウトバーンを疾走して鍛えたという。そのおかげで、IS250Cの走りは実に骨太な印象の仕上がりとなっていた。

それでも、オープン時とクローズ時で、微妙にハンドリングや振動の発生の具合が変わることは、注意深く乗ると感じ取れる。だがIS250Cは、そうした点をとやかく指摘するようなクルマではないだろう。

風の巻き込みを防ぐためのスクリーンが標準では付かず、オプションとなっているが、なくても前席では問題ない。サイドウインドーさえ立てていれば、乱流はかなり小さく抑えられる。さすがに後席では風の巻き込みも乗り心地もそれなりに落ちるが、前席の快適性は予想を上回るものだった。

優雅なクーペとオープンスタイルを1台で楽しむことができて、4人が不満なく乗れて、走りの仕上がりも上々なIS250C。装備などの内容を考えると価格も控えめ。この手のクルマを探している人には、最適な1台といえるだろう。

画像: シンプルなデザインの専用リアコンビランプはLEDの配列が印象的。セダンとの共通部品はヘッドライト、ボンネットフードなど、わずかだ。

シンプルなデザインの専用リアコンビランプはLEDの配列が印象的。セダンとの共通部品はヘッドライト、ボンネットフードなど、わずかだ。

■レクサス IS250C バージョンL 主要諸元

●全長×全幅×全高:4635×1795×1415mm
●ホイールベース:2730mm
●車両重量:1730kg
●エンジン種類:V6 DOHC
●排気量:2499cc
●最高出力:158kW<215ps>/6400rpm
●最大トルク:260Nm<26.5kgm>/3800rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FR
●10・15モード燃費:11.2km/L
●タイヤ:前225/45R17、後245/45R17
●当時の車両価格<税込み>:535万円

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