2017年に日本へ登場してから3年。アルファロメオのDセグメントモデル、ジュリアとその翌年にデビューしたSUVのステルヴィオが今回さらに進化。由緒ある「スプリント」のモデル名を得た両車のベースモデルを走らせてみた。(Motor Magazine 2020年10月号より)

スプリントの価格は460万円で、以前のベースモデルに対して5万円高だがバイキセノン式ヘッドライトやインチアルミホイール(従来型は17インチ)、6ウエイ電動式のナチュラルレザーシート、新たにタッチディスプレイ式となった8.8インチのインフォテイメント「Connect(コネクト)システム」(オンボードのナビゲーション機能なし)、デュアルゾーン式フルオートエアコン、ワイヤレスチャージングパッド、車線変更時に死角の他車を警告し、強行する場合はハンドル操作が自動介入して危機を回避するアクティブブラインドスポットなどを装備。これは相当に戦略的だ。

FCAではこの2.0ターボ スプリントを「コアなドライビングファンに向けたモデル」と紹介している。今回のマイナーチェンジの話題のひとつであるACCやレーンキープアシスト、それに関連して実現した車線中央走行を促すハイウェイアシストシステム、トラフィックジャムアシストなどの進化したADASは装備されないが、200ps仕様の2LLターボエンジンは低速域からトルクフルで扱いやすさに定評のあるユニット。これをFRで思い切り楽しみたい、という向きには魅力的な新グレードとなるだろう。

ステルヴィオの従来グレード展開は2.2Lディーゼルターボエンジンがラインナップの中心。パワースペックは210ps/470Nm仕様に強化されていて、ベースモデル、そして装備の充実化を図った「2.2ターボディーゼル スポーツパッケージ」の2種を展開。280ps仕様の2Lガソリンターボエンジンは「2.0ターボ ラグジュアリーパッケージ」と同スポーツパッケージの2車種。そしてクアドリフォリオを加えた5グレードを構成していた。

ちなみにステルヴィオは全モデルが4WDのQ44で、右ハンドルだ。今回のマイナーチェンジでは、2.0ターボのラグジュアリーパッケージが消滅となり、ベースモデルが「2.2ターボディーゼルQ4スプリント」となった。

元々ステルヴィオの場合、ベースモデルでも装備レベルは充実していたのだが、今回そこにジュリアでも触れた最新のADASシステムやタッチパネル式インフォテイメント「Connectシステム」がナビゲーションシステムと共に加わったことになる。価格は従来の635万円から589万円と、やはりこちらも相当に戦略的なプライシングと言って良い。

画像: ステルヴィオは先進運転支援装備が全モデルで標準装備。走行感覚も進化している。

ステルヴィオは先進運転支援装備が全モデルで標準装備。走行感覚も進化している。

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