2017年に日本へ登場してから3年。アルファロメオのDセグメントモデル、ジュリアとその翌年にデビューしたSUVのステルヴィオが今回さらに進化。由緒ある「スプリント」のモデル名を得た両車のベースモデルを走らせてみた。(Motor Magazine 2020年10月号より)

内装や装備の一新とともに洗練が進んだ走行フィール

この新型「ジュリア2.0ターボ スプリント」と、「ステルヴィオ2.2ターボディーゼルQ4スプリント」を同時に試乗できた。まずインテリアの質感向上だが、メーターまわり以外ではシフトセレクター周辺のフロアコンソールデザインの一新に集約される。

従来はセレクターのベゼル内にDNAの切り替えダイヤルやオーディオスイッチ、インフォテイメントの操作ダイヤルをまとめてレイアウトしていた感じだったが、新型ではフロアコンソール上に各々がほぼ独立して配置される。ATセレクターも、ディンプル加工が施された革巻き仕様の新形状にアップグレードされ、触れた際の感じがより良くなった。

画像: 同じ「スプリント」でもジュリアはナビゲーション機能なし、ステルヴィオはあり。微妙に違う。

同じ「スプリント」でもジュリアはナビゲーション機能なし、ステルヴィオはあり。微妙に違う。

また、今回のマイナーチェンジでは明文化されていないものの、日本上陸から3年、本国デビューからは5年が最大経過しているだけに、その味わいにも進化の跡を感じることができた。

中でも印象的だったのは、ジュリアのフットワークだ。初期モデルはやや当たりの硬さを感じさせる部分もあったが、格段にしなやかさを増していた。ステルヴィオはあれだけ重心の高い物を機敏に動かすという関係か、路面によってはまだフロアまわりに振動を感じるシーンはあるものの、それでも乗り心地は、角の取れた上質な方向へとシフトしていた。

それと両車に共通して感じたのは、どちらも操舵特性が相当にクイックなためにセンター付近の座りを意図的に上げて切り始めるまで「立ち」の強かったハンドリングフィールが、段付き感なくスルリと切り込めるようになっていたことだ。この辺は、初期型の本誌長期テスト車とも乗り比べてみたので間違いない進化ポイントだ。

この他、ステルヴィオに足先で操作可能なハンズフリーテールゲートが標準装備となったり、スポーツパッケージの足まわりが可変減衰力式FSDショックアブソーバーとなったり、クアドリフォリオにサンルーフが装備されたりと、各グレードとも細かく進化している。これらにより、ジョルジオファミリーの実力は確実に上がったと言って良いだろう。(文:石川芳雄)

画像: ハンドル形状、タッチ式センターディスプレイ、コンソールまわりなど細やかな変更を実施。(ステルヴィオ)

ハンドル形状、タッチ式センターディスプレイ、コンソールまわりなど細やかな変更を実施。(ステルヴィオ)

■アルファロメオ ジュリア 2.0ターボ スプリント 主要諸元

●全長×全幅×全高=4645×1865×1435mm
●ホイールベース=2820mm
●車両重量=1590kg
●エンジン= 直4SOHCマルチエアターボ
●総排気量=1995cc
●最高出力=200ps/4500rpm
●最大トルク=330Nm/1750rpm
●駆動方式=FR
●トランスミッション=8速AT
●車両価格(税込)=460万円

■アルファロメオ ステルヴィオ 2.2ターボディーゼル Q4スプリント 主要諸元

●全長×全幅×全高=4690×1905×1680mm
●ホイールベース=2820mm
●車両重量=1820kg
●エンジン= 直4SOHCマルチエアターボ
●総排気量=2142cc
●最高出力=210ps/3500rpm
●最大トルク=470Nm/1750rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速AT
●車両価格(税込)=589万円

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