大ヒットモデル、ヤリスのクロスオーバーSUVがヤリス クロスだが、兄弟車でありながらヤリスとは違った印象を持った。(Motor Magazine 2020年11月号より)
モーグルやバンク、滑りやすい路面を想定したローラーという3つの難所をいとも簡単に楽々とクリアするヤリスクロス。SUVらしい姿形だけではなく実力も伴っていたのである。またヤリス クロスではヤリスの特徴であるパッケージングも強化された。
たとえば荷室のフロアが2段になり、さらにフロアボードが40対60で分割できアレンジが可能なことなどが挙げられる。決して大きなボディではないが、こうしたアイデアが採用されているのだ。
実は、これまでヤリスに試乗する機会がなかったためこの日、用意されていたヤリスにも試乗、よくできているということはよく理解できた。価格とのバランスがいいのも確かである。ただし運転していてそれほど刺激的でもない。いいクルマだとは思うが選ぶとなるとやはりもっと決定打が欲しい。
その点、ヤリスクロスは、本格的なオフロード性能(の片鱗)を確認できたので、あえて選ぶ価値があるだろう。末沢さんの言うことが腑に落ちた瞬間だった。(文:千葉知充)
■トヨタ ヤリスクロスZ 主要諸元
●全長×全幅×全高=4180×1765×1590mm
●ホイールベース=2560mm
●車両重量=1140kg
●エンジン= 直3DOHC
●総排気量=1490cc
●最高出力=120ps/6600pm
●最大トルク=145Nm/4800-5200rpm
●駆動方式=FF
●トランスミッション=CVT
●車両価格(税込)=221万円