ディーゼルながらスポーツモデルらしい2.0TDI

もう一台の目玉として試乗したのはTTクーペ2.0TDIクワトロだ。こちらは新しい4気筒2Lディーゼルエンジンを搭載している。最高速度226km/h、0→100km/hは7.5秒、燃費は5.3L/100kmをマークしている。

タコメーターではゼブラゾーンが4600rpmから始まり5000rpmがレッドゾーンになっている。実際に運転するとタコメーターの針は元気よくゼブラゾーンに飛び込んでいく。実車での加速感は2500rpmを越えたくらいから本格的になっていく。そして5000rpmの燃料カットでサーチュレイトするまで気持ちの良い加速感を味わうことができる。

この回転域で加速中はスポーツカーのエキゾーストノート、エンジンサウンドが聞こえている所も感心した。

確かにアイドリング時はガソリン車とは違うエンジン音が聞こえるが、それでも日本人の多くがイメージするディーゼルエンジンの音ではない。もっとまろやかで不快感のない音である。

TDIでワインディングロードを走ると、TTSに比べるとフロントヘビーな感触が伝わってくる。ディーゼルエンジンの重さがフロントに載っているデメリットかもしれない。それでもダンパーコントロールスイッチを押してスポーツにすると違和感なくハンドリングが軽快になり、フロントが軽くなったような機敏な動きになる。

TTSは日本へのデリバリーは今秋を予定しているそうだが、2.0TDIモデルは導入するかどうかも含めて未定だという。どうせならV12ディーゼルエンジンを搭載したR8も一緒に日本に入れたら、日本市場に新たな1ページを切り開くことになり、アウディの技術による先進をブランドとして定着させることができるのではないかと思う。

アウディはグループの中で、ポルシェやフォルクスワーゲンとも違う異色の存在でいてもらいたいと思っている。今回のTTSやTT 2.0TDIはそうなり得るニューモデルだ。(文:こもだきよし/Motor Magazine 2008年7月号より)

画像: ディーゼルエンジンを搭載した異端のスポーツモデル、TT 2.0TDIクワトロ。

ディーゼルエンジンを搭載した異端のスポーツモデル、TT 2.0TDIクワトロ。

ヒットの法則

アウディ TTSクーペ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4198×1842×1345mm
●ホイールベース:2468mm
●車両重量:1395kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1984cc
●最高出力:272ps/6000rpm
●最大トルク:350Nm/2500-5000rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:6速DCT(Sトロニック)
●最高速:250km/h(リミッター)
●0→100km/h加速:5.2秒
※欧州仕様

アウディ TTクーペ2.0TDIクワトロ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4178×1842×1352mm
●ホイールベース:2468mm
●車両重量:1370kg
●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
●排気量:1968cc
●最高出力:170ps/4200rpm
●最大トルク:350Nm/1750-2500rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:6速MT
●最高速:226km/h
●0→100km/h加速:7.5秒
※欧州仕様

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