1974年にデビュー以来、コンパクトFF車のベンチマークであり続けるフォルクスワーゲン ゴルフ。日本でも間もなく8代目となる新型が発表されるが、その前に初代から現行型までのゴルフを振り返ってみたい。今回は、2代目ゴルフとモータースポーツについて語ろう。

ラリー以外でも、ゴルフ2は活躍していた。それが、アメリカのパイクスピーク ヒルクライムである。パイクスピークは標高4301mの頂上まで至る観光道路を、全開で競う有名なヒルクライムで、1980年代はヨーロッパのWRCグループBマシンが道場破りのように参戦しており、同門のアウディは3回総合優勝を飾っていた。

ゴルフ2の挑戦は1985年から87年まで3回にわたり、3回とも前後ツインエンジンのスペシャルマシンだった。最初の2年間はモノコックボディを流用して、エンジンは前後とも市販車と同じ横置きに搭載されていた。そのエンジンは1.8Lの16Vで、エッティンガーによるチューンである。1985年は3位という成績であった。1986年は、前後のエンジンをポロ用の1.3Lターボに載せ替えたが、1987年は、まったく新しいマシンを仕立てた。

もはやスポーツプロトタイプマシンのような前後チューブラーフレームのマシンで、ゴルフ2の形をしてはいても、実際のサイズは一回り大きかった。GTI 16Vの1.8Lはターボで過給され、前後合わせて652psを発輝。残念ながらサスペンショントラブルのために、頂上目前でストップしてしまったが、マシンは今も健在で、時折イベントに姿を見せている。(文:武田 隆)

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