ダッジJC(別名ジャーニー)はSUVっぽさも漂わせる7人乗り3列シートのクロスオーバーミニバン。2007年のフランクフルトモーターショーでデビューし、2008年にはダッジ5番目のモデルとして日本に導入されることが正式に決定した。Motor Magazine誌はノルウェーはオスロ近郊で行われた国際試乗会に参加、今回はその時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年8月号より)

大人数や荷物を積むことでさらに増すJCの味わい

では走りっぷりはどうか。今回、主に試したのは日本にも導入予定のV型6気筒2.7Lエンジン+6速ATの組み合わせである。

このエンジン、率直に言って強い印象を残すタイプではない。回しても楽しくないし、とくにパワフルということもないという意味だが、しかしゆったり走らせている分には、実用域ではそれなりの粘りも感じさせるなど好ましい面も見せる。また、

6速ATのおかげで低い回転域を常にキープできるようになったのは大きな進化だ。キックダウンレスポンスなどはもう少し、と思わせるのだが、やはり適度な速度で流している分には、不満は浮かんでこない。

試乗したのがオプションの19インチタイヤを履いた仕様だったせいもあってか、乗り心地は硬めの印象だった。日本仕様は専用銘柄の17インチを標準とするというから、また印象は違ってくると思われるが、いずれにせよ基本セッティングは、7人乗車もしくはある程度積載した状態を前提に行われているのだろう。

それゆえに逆に3人以上で乗ると落ち着きが増してくるのも確か。2人乗車では気になったリアの突き上げ感がナリを潜めてくる。実はそれはハンドリングについても言えることで、直進性、舵の座り感など最初は物足りなさを感じた部分も、乗車人数が増えるほどに気にならなくなってくる感があった。

要するに、大人数あるいはたくさんの荷物を積み込んで、ゆったり走らせてこそ光ると言うことができるだろう。家族や気の置けない仲間との時を忘れたロングトリップ。日本にいるとなかなか現実味のない話ではあるのだが、まさにそんな「ジャーニー」への想いを喚起するのが、このJCというクルマである。日本上陸は年内。秋から冬の間あたりとなる予定だ。(文:島下泰久/Motor Magazine 2008年8月号より)

画像: 73mm×222mmの開口部を持つ内部収納付き可倒フロントシート「Flip’N Stow」はオプション。グローブボックスには保冷機能も付く。

73mm×222mmの開口部を持つ内部収納付き可倒フロントシート「Flip’N Stow」はオプション。グローブボックスには保冷機能も付く。

ヒットの法則

ダッジ JC 2.7SXT 主要諸元

●全長×全幅×全高:4888×1834×1672mm
●ホイールベース:2890mm
●車両重量:1685kg
●エンジン:V6DOHC
●排気量:2736cc
●最高出力:185ps/5500rpm
●最大トルク:256Nm/4000rpm
●駆動方式:FF
●トランスミッション:6速AT
※欧州仕様

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