その後の一般道での試乗では、オフロードコースで見せた大きいストロークからは意外なほど、足まわりはしっかりとしており、接地感ある走りを見せてくれた。
また、前後に備えられたスタビライザーが、コーナリング時のボディの傾きをしっかり支え、ロールも抑えられていた。先代と比較して45mm伸びたホイールベース、前35mm/後45mm広がったトレッドとも相まって、安心感を持って走ることができた。
走り終えて、あらためて見た新型は、ひと目でジープとわかる、伝統のセブンスリットフロントグリルや台形のフェンダー、丸型ヘッドランプを持っている。全体のシルエットは、先代の丸みを持った形から、初代に近いスクエア形状となった。こちらの方がよりジープらしいと思う。
インテリアは、インストルメントパネルだけでなく、標準装備となるレザーシートにいたるまでツートーンでまとめられている。そして、リアシートはレッグスペースが38mm広がったこともあり楽に座ることができる。
カーゴスペースは容量を増しただけでなく、汚れた物などを積むときにも重宝する、深さ10cmの防水収納ボックスもカーペット下に備えた。また、先代までリアドアに備えていたスペアタイヤを、ボディ下部に移動させたこともあり、リアドアは跳ね上げて開く形に変更されている。さらに、ガラスハッチのみを開くことも可能で、使い勝手も向上している。
オプションではあるが、スカイスライダー フルオープンキャンバスルーフも注目だ。スカイスライダーが面白いのは前にも後ろにも全開にできるところ。走行中も開閉可能というから、いつでも気分を変えられる。
新型チェロキーは、ハードなオフロードをものともしない力強さと、オンロードも快適に走ることのできる、頼れるクルマだった。(文:川西祐介/Motor Magazine 2008年8月号より)
ジープ チェロキーリミテッド 主要諸元
●全長×全幅×全高:4500×1830×1785mm
●ホイールベース:2695mm
●車両重量:1930kg
●エンジン:V6SOHC
●排気量:3700cc
●最高出力:205ps/5200rpm
●最大トルク:314Nm/4000rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:4速AT
●車両価格:444万1500円(2008年)