2008年、2代目メルセデス・ベンツAクラスが大掛かりなフェイスリフトを受けている。デビュー4年目のお色直しとも言われたが、メルセデス・ベンツはこの時、Aクラスにどんな変更を加えたのか。同時にフェイスリフトされたBクラスとともに、ドイツ・ベルリンでの国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年8月号より)

さてこの試乗会でメルセデス・ベンツは、もう一つの環境対策モデルであるB170 NGTを披露した。このBクラスの床下には、ガソリンタンクに加えて16kgの天然ガスボンベが内蔵されている。すなわちガソリンと天然ガスを交互に使用するハイブリッドタイプである。実際のドライブでの切り替えも簡単、ガスでの走行に関してもパワー不足など何ら特別な現象は起こらずスムーズなものだった。

最後に将来の話をしておこう。実はこのA、Bクラスの特異なサンドイッチ構造は、次のモデルではキャンセルされる模様である。より正確に言えば、現行のスペックをもったA、Bクラスはこのままの姿で終了することになる。

確かに現行モデルは乗り降りが楽で、アイポイントは高く、現在その大半を占めるお年寄りユーザーには好評である。しかし、反対にこうしたエントリーモデルを欲しがるような若者のために、背の低いスポーティなバリエーションを増やすことは不可能だ。

そこで2011年に登場する次期モデルでは、プラットフォームをもっと汎用性の高い構造にする計画を立てている。しかしCセグメントの市場は厳しさが増しており、昨今のコスト高では単独開発は考えられない。実はクライスラーと袂を分かつ以前は、ダッジ キャリバーとのプラットフォーム共有を考えていたのだが、今後は新しいパートナーを探さねばならない。

この競争の激しいCセグメントはモノモデル戦略では成り立たない。そこで将来的にはこのクラスにもクーペ、カブリオレあるいは小型のミニバン、さらにはSUVというワイドな選択肢を提供しようとしている。そして、こうした差別化によってプレステージ性を高め、高価格戦略を図ろうとしているのである。(文:木村好宏/Motor Magazine 2008年8月号より)

画像: メルセデス・ベンツB200ターボ。Aクラスと同時に、Bクラスもファイスリフトを受けた。

メルセデス・ベンツB200ターボ。Aクラスと同時に、Bクラスもファイスリフトを受けた。

ヒットの法則

メルセデス・ベンツ A150 主要諸元

●全長×全幅×全高:3883×1764×1593mm
●ホイールベース:2568mm
●車両重量:1245kg(EU)
●エンジン:直4SOHC
●排気量:1498cc
●最高出力:95ps/5200rpm
●最大トルク:140Nm/3500-4000rpm
●駆動方式:FF
●トランスミッション:5速MT
●最高速:175km/h
●0→100km/h加速: 12.6秒
※欧州仕様

メルセデス・ベンツ A200 主要諸元

●全長×全幅×全高:3883×1764×1595mm
●ホイールベース:2568mm
●車両重量:1270kg(EU)
●エンジン:直4SOHC
●排気量:2034cc
●最高出力:136ps/5500rpm
●最大トルク:185Nm/3500-4000rpm
●駆動方式:FF
●トランスミッション:5速MT
●最高速:200km/h
●0→100km/h加速: 9.8秒
※欧州仕様

メルセデス・ベンツ B200ターボ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4273×1777×1604mm
●ホイールベース:2778mm
●車両重量:1370kg(EU)
●エンジン:直4SOHCターボ
●排気量:2034cc
●最高出力:193ps/5000rpm
●最大トルク:280Nm/1800-4850rpm
●駆動方式:FF
●トランスミッション:6速MT
●最高速:225km/h
●0→100km/h加速:7.6秒
※欧州仕様

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