2008年、2代目メルセデス・ベンツAクラスが大掛かりなフェイスリフトを受けている。デビュー4年目のお色直しとも言われたが、メルセデス・ベンツはこの時、Aクラスにどんな変更を加えたのか。同時にフェイスリフトされたBクラスとともに、ドイツ・ベルリンでの国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年8月号より)

やや固めで突き上げ感のあるシャシはずいぶんと改良された

ベルリン市内を走り出して感じたのは、Aクラス独特の高いドライビングポジションによる取り回しの良さである。混雑した慣れない大都市を走るときには非常に助かる。また初代から比べるとずいぶんと改良されたが、やや固めで突き上げ感のあるシャシは目をつむっていてもAクラスだとわかる。その他の部分でも熟成されたようで、新型Aクラスの完成度は高く、実用的メルセデスを望むオーナーには最適なモデルだろう。

便利な装備としてパーキングアシストが用意されている。これは現在フォルクスワーゲンが積極的に商品展開をしているものだが、メルセデスでは独自性を打ち出して、フォルクスワーゲンより狭いスペースでの駐車が可能なものにしている。具体的には全長プラス1.3mあれば十分に駐車ができるという。実際にベルリン市内の路上駐車スペースでテストした結果、これまで愛車のティグアンではちょっと対応が難しそうな条件の場所でもスパッと駐車することができた。

その秘密はボッシュとの共同開発による螺旋形のハンドル切れ角である。フォルクスワーゲンのハンドルの動きが定常円であるのに対して、メルセデスのシステムでは駐車の直前でハンドルがさらに切り込まれるのだ。それによって5.18mの長さを持った駐車スペースであれば、文字どおり目隠ししてでも優雅に駐車することができるのだ。

ちなみにウインカーレバーを左に倒すと、日本のような左側通行の場合でも、オートパーキングを作動させることができる。このパーキングアシスト「パークトロニック」のオプション価格は797ユーロ(約13万円)である。これで駐車時の時間と擦り傷が防止できれば安い買い物だろう。

またこのAクラスから、ようやくメルセデスも環境対策を施した「ブルーエフィシエンシー」と名付けられたモデルを市販することになった。このモデルには様々な抵抗を低減させた高効率エンジン、空力特性を改良し同時に軽量化されたボディ、ブレーキエネルギー回生を含むエネルギーマネージメント、転がり抵抗の低いタイヤなどが採用されている。

中でもユーザーにもっともアピールするのはアイドリングストップ機構だが、メルセデスではBMWと違って250ユーロ(約4万円)のオプション扱いである。実際にテストした限りでは、BMWよりはわずかにエンジンスタート時のショックが少ないように思われた。確かに信号や踏切、そして駐車場入り口での待ちでエンジンがストンと停止するのは気持ちがいい。もっともそれには必ず再スタートしてくれるという保証があるからだ。

今年の秋に登場するブルーエフィシエンシーパッケージを搭載したA160 CDIでは、NEDC(新欧州規定燃費)で100kmあたり4.5L(22.2km/L)、そしてCO2排出量は119g/kmと好結果を記録する。

果たして財布を固く閉ざしているドイツ人プライベートオーナーが、ようやく現れたメルセデス・ベンツの環境対応モデルに対してどのような反応を見せるか、経済面からだけでなくドイツ人の今後の環境への取り組み姿勢も見えそうで非常に興味深い。このブルーエフィシエンシーパッケージだが、残念ながら日本向け輸出の計画はない。

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