最高速度は10km/hほど遅い。0→100km/h加速は0.1秒及ばない。けれどそれ以外はほとんど同じ。エクステリアもインテリアも違いは少ない。「S」はついていないけれど「911ターボ」はやはり、特別な存在だった。(Motor Magazine2021年2月号より)

ターボSに引けを取らないパフォーマンスの持ち主だ

ホッケンハイムのパドックを出て、まずは西を目指す。そこには制限速度が解除された区間が続くアウトバーンがあるからだ。ここでは250km/hを超える速度で高速走行、抜群の安定性を確認することができた。

これは、PAA(ポルシェ アダプティブ エアロダイナミック)がフロントの冷却口の面積を自動調整、ターボSとまったく同じサイズのリアスポイラーがボディ全体の空力特性を考慮した理想的なダウンフォースを与えてくれるおかげだ。

一般公道なので時折り追い越し車線に車が飛び込んでくるが、フロント408×36mm、リア380×30mmのベンチレーテッドディスクブレーキ、さらに前述のスポイラーが持つエアブレーキによって確実でコントローラブルな制動を約束している。

アウトバーンを降り、やがて、G-COTYのテストにも使っている低い丘陵地帯が続く一般路へ入る。ここでのハンドリングテストでは、強大なパワーを確実に路面に伝える4WDシステムと秀逸なEPAS(電動ステアリング)のおかげで、スポーツドライブを堪能させてもらった。

合計およそ350kmにわたるテストで992ターボは、公道上では総合的にみてもターボSに対して勝るとも劣らない性能を見せてくれた。ポルシェジャパンはすでに、ターボクーペそしてターボカブリオレの予販売予約を始めており、価格はクーペが2443万円、カブリオレは2731万円となっている。

ターボSと比べても、エクステリアそしてインテリアだけでなく、パフォーマンスも公道上ではほとんど差のないことを考えると、およそ450万円安い「ターボ」はお買い得といえる。

もちろんそれでも高嶺の花であることは間違いなく、「S」のアルファベットはなくても911ターボはエクスクルーシブなポルシェであることは間違いがない。(文:アレキサンダー・オーステルン<キムラ・オフィス>)

画像: インテリアもターボSと同様。スタートノブは左手で回すタイプだ。

インテリアもターボSと同様。スタートノブは左手で回すタイプだ。

■ポルシェ911 ターボ 主要諸元

●全長×全幅×全高=4535×1900×1303mm
●ホイールベース=2450mm
●車両重量=1715kg
●エンジン= 対6DOHCツインターボ
●総排気量=3745cc
●最高出力=580ps/6500rpm
●最大トルク=750Nm/2250-4500rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速DCT(PDK)

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