「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、日産 リーフ(プロトタイプ)だ。
日産 リーフ(2010年:プロトタイプ)
日産が満を持して市販化する電気自動車、リーフ。クルマとしての魅力は、果たしてどれぐらいあるのか。だが今回はテストコースでの短時間の試乗。まずはリアシートに乗せてもらって1ラップ、そのあと実際に運転して1ラップ。これだけでは物足りないので、同乗していた開発者のお言葉に甘えて、もう1ラップと、ジックリというほどではないがリーフの走りを堪能することができた。
運転席に座ってみると、Cセグメントに属するコンパクトカーとしては、室内の広さはわりと標準的だ。Aピラー部に三角窓がありインパネがスッキリとしているので、視界には開放感がある。ホワイトとベージュ系のインテリアカラーは、明るくスタイリッシュな印象だ。
メーターは2段式で、インパネ上側にスピードメーター、下側の大きな画面にパワーメーターやバッテリー残量計、またユーザーのエコドライブを助けるエコインジケーターなどがグラフィカルに表示されており、ちょっと未来的だ。カーナビの画面やエアコンなどを含むセンタークラスターは、どことなくiPhoneを彷彿とさせるデザインだ。丸いシフトノブを軽く手前に引いて、ノーマルモードやエコモードを選択するようになっている。
今回の試乗車は左ハンドルで、ステアリング右側にあるボタンをプッシュすると、システムが立ち上がる。爽やかな起動音が流れ、メーターが色づく。当然ながらアイドリング音も振動もなく、聴こえるのはエアコンの作動音のみという静けさ。「家の中に入れられるクルマです」と開発者に言われたが、まさにそんな感じだ。