「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、スバル エクシーガ 2.0GTだ。

ミニバンであるエクシーガらしい「ゆるさ」は影を潜める

ただ、乗り心地に関しては少し気になったことがあった。いままでは全体にカドがなくて、小さな突起ひとつも包み込んでくれるようなゆるい乗り味が魅力だったが、今回はリアからゴツゴツと突き上げ感が感じられ、常にボディがシェイクされている印象があった。従来はカドがない分ゆったりと収まっていくのに対し、今回は敏感な分だけ細かいゆれが少し気になってしまった。

一方、走りに関しては動きにダイレクト感が感じられた。車高が高いボディにもかかわらず、リアがしっかりとGを受け止めて旋回中の姿勢も安定している。その結果、コーナーでの自由度が出てスバルらしい走りの良さを味わうことができた。

個人的にはエクシーガ独特のゆるい乗り味が影を潜めてしまったのは少し残念なところだが、走りに関しては一歩前進している。ミニバンでもターボエンジンらしい走りを楽しむことができ、しかもエコカー減税の対象になったということで、エクシーガ 2.0GTの魅力はかなりアップしたと言えるだろう。

なお、エクシーガ 2.0GTの一部改良と同時に、クロスオーバーSUVのフォレスターもターボモデルの2.0XTがエコカー減税&補助金に適合する環境対応エンジンを搭載した。最高出力は230psを発生するパワフルさだが、サスペンションはストロークもあって乗り心地も良い。SUV派には、こちらをオススメしたい。

画像: ターボの力強い走りはスムーズだが、リアまわりからの突き上げが感じられるようになったのは、少し残念なところ。

ターボの力強い走りはスムーズだが、リアまわりからの突き上げが感じられるようになったのは、少し残念なところ。

スバル エクシーガ 2.0GT 主要諸元

●全長×全幅×全高:4740×1775×1660mm
●ホイールベース:2750mm
●車両重量:1590kg
●エンジン種類:水平対向4 DOHCターボ
●排気量:1994cc
●最高出力:165kW(225ps)/5600rpm
●最大トルク:326Nm(33.2kgm)/4400rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●10・15モード燃費:12.2km/L
●タイヤ:215/50R17
●当時の価格(税込み):285万6000円

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