クルマとしての高い基本性能。進化が恩恵をもたらした
そんな走りっぷりと同様、あるいはそれ以上に熱い視線を集めているに違いないのがアイサイトXである。標準のアイサイトも基本性能を大幅に高めているが、3D高精度地図データ、準天頂衛星「みちびき」による高精度GPS情報の活用によってアイサイトXは、渋滞時のハンズオフアシスト、車線変更アシスト、カーブ前や料金所での減速制御といった機能を実現している。
目を瞠（みは）るのは、単にいろいろなことができるというだけでなく、それぞれの制御が緻密で、リアルに使えるものになっているということだ。車線内の中央を維持して走り、余計なハンドル修正なしにカーブに沿ってスムーズに曲がっていくといった基本的な動きが正確なので信頼して使うことができる。
それにはアイサイトXの動作状況を明瞭に表示するフル液晶メーターのクリアな表示も貢献しているのは間違いない。さらに言えば、制御に対して忠実に反応し、正確に動くクルマとしての基本性能の高さも、その滑らかな動作の一助になっているのだ。
ボディサイズは若干拡大されているが、それでも全幅を1800mm以下に留めるなど日常の使い勝手には十分に配慮されている。しかも、サイズアップ分は室内スペースにしっかり反映されており、荷室容量も格段に大きくなった。また、リアゲートは開口部が拡大され、ハンズフリーオープンも可能となるなど、ワゴンとしての使い勝手も、しっかり高められている。カタログに大書きされる要素ではないかもしれないが、こうしたあらゆる部分で、真価を確かに実感できるのである。
何から何まで刷新された完全に新しいモデルとして生み出された新型レヴォーグは、単に新しくなり、性能が向上したというだけでなく、その恩恵をしっかりユーザーにもたらすクルマに仕上げられている。
それこそが高く評価するポイントである。しかも、これで終わりではなく、まだまだ進化のタマは残されているというから、今後の「深化」にも期待したい。（文：島下泰久／写真：永元秀和）
レヴォーグはGTシリーズとSTIスポーツシリーズの2本立てラインナップ。
スバル レヴォーグSTIスポーツEX主要諸元
●全長×全幅×全高：4755×1795×1500mm
●ホイールベース：2670mm
●車両重量：1580kg
●エンジン：対4 DOHCターボ
●総排気量：1795cc
●最高出力：130kW（177ps）／5200－5600rpm
●最大トルク：300Nm／1600－3600rpm
●トランスミッション：CVT
●駆動方式：4WD
●燃料・タンク容量：レギュラー・63L
●WLTCモード燃費：13.6km／L
●タイヤサイズ：225／45R18
●車両価格（税込）：409万2000円
スバル レヴォーグGT－H EX主要諸元
●全長×全幅×全高：4755×1795×1500mm
●ホイールベース：2670mm
●車両重量：1570kg
●エンジン：対4 DOHCターボ
●総排気量：1795cc
●最高出力：130kW（177ps）／5200－5600rpm
●最大トルク：300Nm／1600－3600rpm
●トランスミッション：CVT
●駆動方式：4WD
●燃料・タンク容量：レギュラー・63L
●WLTCモード燃費：13.6km／L
●タイヤサイズ：225／45R18
●車両価格（税込）：370万7000円
