街中重視のパーツを開発してきたオートエクゼがハード走行に適した商品を開発
オートエクゼが開発した「ND-06S」は、「高限界ピュアスポーツ」を実現すべく、そのノウハウをつぎ込んだNDロードスターだ。サスペンションもかなり割り切った仕様で、快適性と引き換えに、低重心&高剛性を追求している。
サスペンションは、ショックアブソーバーとスプリングだけでは語れない。ND-06Sの特徴のひとつに、サスペンションブッシュ・セット(強化ブッシュ)の組み入れがある。具体的にはブッシュのゴム硬度をアッパー側で125~146%、ロア側で109~140%まで引き上げている。
ゴム硬度を高めると、サスペンションは設計どおりの動きをする反面、乗り心地は悪化する場合もある。もちろんそれを承知の上でインプレッションに臨んだ。まずは純正のブッシュ仕様に試乗してから、後日、同じ車両の強化ブッシュ仕様に再度試乗した。
純正ブッシュでは味わえないソリッドなコーナリングを実現
強化ブッシュ仕様で走り出した印象は、ノーマルブッシュとほとんど違いが感じられなかった。しかし、コーナーをいくつかクリアすると違いが明確になった。
緩やかなコーナーでは、遊びがないというよりは、リニアなインフォメーションをステアリングから感じることができ、安心感が高まっている。さらにブッシュを強化した効果を顕著に感じたのは、ややきつめのコーナーに進入したときだ。ロールで外側のサスペンションが沈み込む初期動作と、ストレートに向けてロールが戻る最後のところだ。
純正ブッシュでは縮み側、伸び側ともに「緩さ」を感じたが、それがきれいに消えてソリッドな感覚になっている。しかし、既定路線とはいえ、荒れた路面ではゴムで逃がしていた微振動をサスペンションが拾い、人によっては疲れると感じるかもしれない。ただ、サーキットまでカバーする足という意味では許容範囲に収まっているだろう。