2021年3月2日(スウェーデン現地時間)、ボルボ・カーズはブランド初となるEV(電気自動車)専用モデルの「ボルボ C40」を世界初公開した。また同時に、2030年までに完全な電気自動車メーカーになる計画も発表、2030年までにハイブリッド車を含む内燃機関を搭載した車を全世界で段階的に廃止し完全な電気自動車のみを販売するという。

「2030年までに完全な電気自動車メーカーになる」ことを世界に宣言

2017年にボルボ・カーズは「2019年以降、全モデルを電動化する」(内燃機関のみを搭載した車両の生産終了)と発表し大きな注目を集めたが、今回「クルマ1台あたりにおけるライフサイクルの二酸化炭素排出量を一貫して削減する」という計画をさらに進め、「2030年までに完全な電気自動車メーカーになる」ことを宣言した。

具体的には、今後数年のうちに電気自動車を開発して追加設定する一方で、ハイブリッド車を含む内燃機関を搭載した車を段階的に廃止し、2025年までに世界の販売台数の50%を電気自動車、残り50%をハイブリッド車とし、2030年までには販売する全車を電気自動車にする。

今回の決定は法規制や充電インフラの急速な拡大により電気自動車の普及が加速することを予想してのもので、完全な電動化によりソフトウェアのアップデートが可能となり、より魅力的な車両を提案できることにもつながるとしている。またあわせて透明性のある消費者向けサービスを提供するために、すべての電気自動車をオンラインで販売する計画であることも明らかになった。

画像: CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)をベースに開発。電動化に向けてこのプラットフォームは重要なキーテクノロジーとなる。

CMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)をベースに開発。電動化に向けてこのプラットフォームは重要なキーテクノロジーとなる。

今回この計画とあわせて発表された「C40」は、ブランド初の完全電気自動車となった「XC40リチャージ」に続くEV第2弾で、EV専用モデルとして設計されたモデルであることから、シンプルに「C40」と呼ばれる。

「C40」は、既存のボディタイプと異なるクロスオーバータイプのSUVで、最先端のピクセルテクノロジーヘッドライトを備えた新しいフロントデザインやなだらかなクーペルックのルーフライン、印象的なリアエンドデザインを特徴としている。

また、Googleと共同開発されたAndroidオペレーティングシステムを採用した新しいインフォテインメントシステムやソフトウェアのアップデートをオンラインで実施するなど、既存モデルにはない新しい取り組みもなされている。モーターは前軸と後軸にそれぞれ搭載され、ツインモーターによる電気式4WDで、約40分で80%まで急速充電できる78kWhのバッテリーを採用する。

スウェーデン本社の今回の発表をうけて、ボルボ・カー・ジャパンもこの「C40」を今秋には日本市場へ投入することを発表。当初導入する100台は新しいサブスクリプションとして販売する計画があることも明らかになった。これはボルボ・カーズが掲げる「Freedom to Move(モビリティの自由)」を具現化するチャレンジで、ライフスタイルの変化に合わせて3カ月経過すれば解約が自由になるという。その販売方法や車両の詳細は導入時に明らかになる。また、日本国内においても段階的にEVの販売比率を高め、2025年には35%、2030年には100%を目指すとしている。

画像: 航続可能距離は約420kmとされているが、ソフトウェアの更新によってさらに改善されることが期待される。

航続可能距離は約420kmとされているが、ソフトウェアの更新によってさらに改善されることが期待される。

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