2008年10月、4代目パジェロがマイナーチェンジされて登場した。最大の話題は4年ぶりのディーゼル復活。当時世界でもっとも厳しいと言われた日本の新長期規制に適合したエンジンだった。ここではそのクリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルを中心に、河口湖近辺で行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年11月号より)

2代目のパジェロの現役率が高い

さて、このDI-Dディーゼルエンジンは、先代パジェロが搭載していた直4の3.2Lをベースとし、新たにコモンレール燃料噴射システム(最大180Mpaの噴射圧)を採用して、振動、騒音、排出ガスの大幅改善を図ったユニットだ。スペックは最高出力が170ps、最大トルクが37.8kgmとなっている。規制をクリアできなかった、かつて搭載されていたディーゼルと比較すると、出力、トルクはほぼ同レベル。クリーンになったがパワーダウンはしていないということだ。

試乗会は河口湖起点の富士山麓で行われた。トップグレードのスーパーエクシードに乗り込んで急勾配の長い直線路を走る。やはりディーゼルの恩恵でトルクの太さは感じるものの、正直なところいささかもの足りない感じだった。ボディ重量が2.3トンを超えるとなると、もっと分厚いトルクが欲しくなる。もっとも、今回のディーゼルエンジンは動力性能向上が主眼ではなく、クリーン化させた上で実用燃費を向上させることが目的なのだから欲張りすぎか。実走行に近いJC08燃費モードで標準車のエクシードは9.8km/L、スーパーエクシードで9.3km/Lとかなり優秀である。

音振は直4の大排気量エンジン(1気筒あたり800cc!)としてはよく押さえ込んだ方と思うが、やはり将来はさらにスムーズでクリーンなV6ディーゼルエンジンが望まれるところだ。最近海外で試乗したアウディQ5のV6TDIエンジンは、パワーやトルクもさることながら静粛性、燃費ともに素晴らしかった。これを凌駕すべく三菱のエンジニアはいっそう奮起してほしい。

パジェロのユーザーは現在11万人強いるという。内訳は初代1.4万人、2代目8万人、3代目1万人、4代目が1万人。それにしても2代目が70%とは驚いた。あの時代のパジェロがまだまだ現役で残っているのだ。ユーザーの皆さん、大事に乗ってあげてください。(文:Motor Magazine編集部/写真:村西一海)

三菱パジェロ・スーパーエクシード DI-D 主要諸元

●全長×全幅×全高:4900×1875×1870mm
●ホイールベース:2780mm
●車両重量:2290kg
●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
●排気量:3200cc
●最高出力:125kW(170ps)/3800rpm
●最大トルク:370Nm/2000rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格(税込):459万9000円(2008年当時)

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