Cクラスはメルセデス・ベンツの最多販売車。2014年登場の4世代目、現行W205だけで250万台、1982年デビューの190(W201)シリーズから数えると1050万台がユーザーに届けられている。今回の新型は、Tモデル(ステーションワゴン)も同時に発表された。(Motor Magazine2021年4月号より)

MBUXが大幅にアップグレード。同乗者の音声も認識

今回登場した5世代目のニューCクラス(W206)のスタイリング(エクステリアデザイン)が、冒険をせずにキープコンセプトなのはよく理解できる。それを顕著に表しているのがMRA(メルセデス リア駆動アーキテクチャー)IIをベースにした「キャブバックワードデザイン」、つまりロングノーズでキャビンが後退した、後輪駆動プロポーションの踏襲である。そして、これまで2種類が用意されたフロントフェイスは、スリーポインテッドスターがグリルの中央にレイアウトされるスポーティなデザインに統一された。

現時点でボディサイズの正確な数字は不明だが、年々大きくなってきたAクラスとの差をつけるため、さらにアウディA4やBMW3シリーズに対抗するため全長はおよそ4.75mに、ホイールベースは25mmほど延長されて、キャビンには若干の余裕ができている。ただし空力特性はCd値0.24とクラストップの性能を誇る。

インテリアはニューSクラスに準じており、ドライバーの正面には10.25インチ(オプションで12.3インチ)、ダッシュボード中央には9.5インチ(あるいは11.9インチ)のタッチパネルが採用されている。

MBUXもアップグレードされており、もはや「ヘイ、メルセデス!(※)」とキーワードを気恥ずかしく叫ばなくても起動し、また同乗者の声も認識する。AIはもっと賢くなり、クルマの機能に関しての説明、たとえば「スマホとどうやって継げるの?」という問いにも答えてくれる。

またAR(オーギュメンテッドリアリティ)ヘッドアップディスプレイも用意。さらにこれらをコントロールするOS(ソフトウエア)のアップグレードは、Cクラスとして初めてOTA(オーバージエアー)で行えるようになった。

※:MBUX起動方法のデフォルト設定は、日本仕様で「Hi,メルセデス」だが、海外仕様は「ヘイ、メルセデス」となっている。

画像: キャブバックフォワードデザインが強調されて精悍な印象を与えてくれるセダンモデル。トランクリッド部分は短くまとめられ、スポーティさをアピールする。

キャブバックフォワードデザインが強調されて精悍な印象を与えてくれるセダンモデル。トランクリッド部分は短くまとめられ、スポーティさをアピールする。

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