ベースのQ5に比べ、グッとスタイリッシュに
ここ数年、SUVの販売台数は右肩上がりで、2020年のドイツにおける自動車市場ではついにSUVが21.3%に達し、コンパクトセグメント(20.5%)の牙城を崩してセグメント別市場でトップとなった。そして、この傾向はまだ当分の間、続きそうである。
その後押しをしているのは、BMWがX6を送り込んで以来トレンドとなっているSUVクーペ、あるいはクロスオーバーというスタイリッシュモデルである。これまでにBMWはX2、X4、メルセデス・ベンツは「クーペ」という名称でこれら新顔を増殖させている。
一方でアウディは、セダン系の4ドアクーペモデルに採用している「スポーツバック」の呼称をSUV系に転用。スタートはやや遅きに失したものの、新型Q3スポーツバックを登場させた。そして今回、売れ筋モデルのQ5にも、4ドアクーペ版のQ5スポーツバックをデビューさせたのだ。
エクステリアデザインは、ベースになったQ5と左右リアドアのパネルまでが共通で、ルーフはBピラーから後方へ向かって下がっている。数字上ではスタンダードボディより2mm低く、7mm長いだけだが、ルーフスポイラーやリアウインドウサイドのフィンなどで、見た目は随分とスタイリッシュになっている。
また、ベースとなったQ5のフェイスリフトに準じて、デジタルデザインのマトリックスヘッドライト(オプション)、リデザインされたシングルフレームグリルと大型化されたエアインテークなどが特徴だが、試乗車はブラックトリム仕様なのであまり目立たない。
インテリアもMIB3にアップグレードされた結果、操作系はMMIダイヤルから変わり、ダッシュボード中央に配された10.1インチのタッチスクリーン部が操作の中心となる。ただしエアコンやドライブロジックの操作は、変わらず機械式スイッチのままだ。