十分なパフォーマンスを静粛性と安心感で支える
試乗車の搭載エンジンは、2L直4ターボの2.0TFSIで、最高出力195kW(265ps)、最大トルク370Nmを発生。7速DCTを介して4輪を駆動、0→100km/h加速は6.1秒、最高速度は240km/hに達する。
車重1850kgのSUVクロスオーバーとして、なかなかのダイナミック性能を示す。走り出しても吸音フロントガラス仕様のためかキャビンの中が静かなので、知らないうちに結構な速度となっていることに気付くぐらいだ。この日は降雪に見舞われたが、クワトロの駆動力と優れたスタビリティが、走りの質と安全性をさらに高めてくれている。
このモデルには12V式ベルト駆動型マイルドハイブリッドシステム(MHEV)が装備されており、アイドリングストップから、あるいはコースティング中のエンジン停止フェイズからの再スタートを快適にしている。
ちょっと不可解なのは、フォルクスワーゲンゴルフなどにはもっとスムースで高効率の48V式MHEVがオプションで用意されるのに、アウディでは4気筒モデルは12V式、6気筒モデルでようやく48V式MHEVになることだ。プレミアムブランドで、この差の理由がわからない。
大雪になったので早々にテストを終えてガレージに戻り、ラゲッジルームからカメラ類を下ろそうとした際に、エアサスペンション仕様ではスイッチで車高が5cm下がり、重い荷物の出し入れを容易にできることがわかった。また後席は、リクライニングとスライドが可能だ。着座者の快適性向上とともに、後席の位置でも積載量を増加させることができるのだ。
スタイリッシュなエクステリアながら、後席のパッセンジャーあるいはラゲッジルーム容量にもほとんど影響がないどころか、便利な装備も用意されたQ5スポーツバック。デザイン重視でアウディを選択するオーナーには、Q5に対して2200ユーロ(約28万円)のエクストラコストを支払っても十分以上に割の合う魅力的なクルマだった。2021年中に間違いなく日本にも登場する要注目モデルだ。(文:アレキサンダー・オーステルン<キムラ・オフィス>/写真:キムラ・オフィス)
アウディQ5スポーツバック45TFSIクワトロ主要諸元
●全長×全幅×全高:4689×1893×1660mm
●ホイールベース:2819mm
●車両重量:1850kg(EU準拠)
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1984cc
●最高出力:195kW(265ps)/5250-6500rpm
●最大トルク:370Nm/1600-4500rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・70L
●燃費:13.1-13.5km/L(EU準拠)
●タイヤサイズ:235/65R17