ブランドの主力が集うDセグメントには魅力的なモデルが多い。ここでは、そうした中でもっともベーシックなV60と318iツーリングに注目した。果たしてこの2台は、積極的に選びたくなる実力を備えているのだろうか。

優等生なのがV60 B4で318iは一芸に秀でている

もうひとつ、318iで魅力的だったのが、ワインディングロードでの走りだった。もっとも、これについては注釈が必要だ。ハンドルをいったん切れば、あとは路面のうねりなど関係なく安定したコーナリングフォームを示す点ではV60が勝っていたのだが、318iにはどこか心が浮き立つような楽しさがある。

その理由が最初はうまく呑み込めなかったのだが、繰り返し乗るうちに謎が解けた。前後の重量バランスがV60より50対50に近い318iはノーズの入り方が俊敏。しかも、前車軸荷重が1トン近いV60はフロントタイヤを常に労りながらハンドル操作をするのだが、318iはもっと自然な感覚で操舵できる。このあたりも、ストレスなくコーナリングを満喫できる理由のひとつだと言えるだろう。

というわけで、1台のクルマとして見たときに満遍なく高得点を獲得しているのはV60だった。それでいながら318iよりも値付けが安いのだから、お買い得であることは間違いない。

いっぽうで、318iのアドバンテージはADASの高い完成度とワインディングロードでの走りの良さときわめて明快。つまり、苦手科目の少ない優等生がV60で、一芸に秀でているのが318iだったことになる。どちらもそれぞれに魅力的だが、あえて1台を選ぶなら、優れたデザイン性のV60により強く惹かれたというのが正直な気持ちである。(文:大谷達也/写真:小平 寛)

画像: V60(後)のリアスタイルは特徴的で街中でも見かけることが多い。3シリーズツーリングもBMWらしさにあふれている。

V60(後)のリアスタイルは特徴的で街中でも見かけることが多い。3シリーズツーリングもBMWらしさにあふれている。

ボルボ V60 B4モメンタム 主要諸元

●全長×全幅×全高:4760×1850×1435mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:1710kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1968cc
●最高出力:145kW(197ps)/4800-5400rpm
●最大トルク:300Nm/1500-4200rpm
●モーター最高出力:10kW/3000rpm
●モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・60L
●WLTCモード燃費:12.8km/L
●タイヤサイズ:225/50R17
●車両価格(税込):499万円

BMW 318iツーリング 主要諸元

●全長×全幅×全高:4715×1825×1470mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1610kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1998cc
●最高出力:115kW(156ps)/5000rpm
●最大トルク:250Nm/1300-4300rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・59L
●WLTCモード燃費:15.4km/L
●タイヤサイズ:255/50R17
●車両価格(税込):523万円

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