第1期のホンダF1から現在のレッドブルまで。エンジンも展示
新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休館していたホンダウエルカムプラザ青山だが、2021年3月23日から再開館した。2021年シーズンのF1グランプリも3月25日から開幕することから、ホンダではこれを記念して、歴代のF1マシンを4月19日(月)まで展示している。
現在、展示されているのは以下の車両だ。
ホンダ RA300(1967年)
F1のエンジン排気量が3Lに変更された1967年。ホンダが投入したマシン「RA273」はハイパワーだったが車両重量は規定より150kg以上も重かった。そこで世界チャンピオン経験者のジョン・サーティースをドライバーに迎え、ローラ カーズとともに製作された新マシン「RA300」は、RA273より70kg近くの軽量化を実現。わずか6週間で作り上げられて第9戦イタリアGPに投入され、サーティースのドライブで2位を0.2秒差で制し、ホンダにF1での2勝目をもたらした。
ロータス ホンダ 99T(1987年)
1987年、ウイリアムズに独占供給されていたホンダのV6ターボエンジンはロータスにも供給されることになる。ドライバーは、「伝説のチャンピオン」アイルトン・セナと日本人初のレギュラードライバー、中嶋 悟。日本がF1ブームに沸いた時期だった。RA167Eと呼ばれる水冷80度V6 DOHCツインターボエンジンは、1494ccの排気量から1000ps以上/12000rpmの最高出力を発生した。このエンジンは1988年からマクラーレンにも搭載され、16戦15勝という驚異的な記録を打ち立てることになる。
ホンダ RA106(2006年)
ホンダが38シーズンぶりにシャシとエンジンを製作する完全ワークスチームとして参戦した2006年。RA106と呼ばれるマシンは、水冷90度V8の2400ccエンジンを搭載し、最高出力は700ps以上を発生していた。エースドライバーのジェンソン・バトンは、序盤は入賞こそあったものの中盤はリタイアも増えていたが、第13戦のハンガリーGPでトップでチェッカーフラッグを受ける。バトンはF1デビュー7年目で待望の初優勝を挙げた。
レッドブル レーシング ホンダ(2021年カラーモデル)
2019年、パワーユニット サプライヤーとしてトロロッソ(現在のアルファタウリ)に加え、レッドブルにもRA619ユニットを供給。第9戦のオーストリアGPで、マックス・フェルスタッペン駆るレッドブル ホンダ RB15は、F1復帰以来、長く苦しい道のりを歩んだホンダ久々の優勝をつかんだ。なお、展示車両は2021年シーズン用のカラーリングが施されているが、2021年シーズン用のマシンではない。
RA300は剥き出しのV12エンジンがよく見えるが、他のマシンでは見えないので、ロータス 99T、ホンダ RA106、レッドブル F1のそばにはパワーユニットが単体で展示されているのも、うれしい。
この展示は第2戦のエミリア・ロマーニャGPが終了後の4月19日(月)まで行われる。なお、冒頭に「現在」と書いたが、3月末ころには「サプライズ」でF1マシンがもう1台展示される予定だ。そのマシンが何になるのかは現段階では秘密になっているのだが、楽しみにしておこう。
ホンダ ウエルカムプラザ青山
●住所:〒107-8556 東京都港区南青山2-1-1 ホンダ青山ビル1F
●開館時間:10:00〜18:00
●休館日:ゴールデンウイーク、夏季、年末年始
●入館料:無料
※開館時間は変更される場合があるので、事前に確認を