「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、BMW 5シリーズ ツーリングのなかでも、2.5L 直6エンジンを搭載した523iツーリングだ。

パワフルさはないが軽快。バリューforマネーは高い

画像: センターダッシュはBMWの伝統で運転席側に少しオフセットしている。iドライブは以前より扱いやすくなった。

センターダッシュはBMWの伝統で運転席側に少しオフセットしている。iドライブは以前より扱いやすくなった。

コクピットにおさまると、そこからの眺めはセダンとまったく変わらない。今回の試乗は、おとな2人乗車で大きな荷物は載せていない。したがってワゴン本来の使い方とはいえないかもしれないが、そんな状態の走りの印象は、セダンに乗っている錯覚さえ覚えるほどだ。ブレーキ・エネルギー回生システムも備え、燃費も旧型より22%も向上したという2.5Lのストレート6 DOHCは、パワフルではないが相変わらずスムーズに吹け上がる。

8速にグレードアップしたATは滑らかにシフトアップし、シフトスケジュールも適切だ。ダウンシフトでは少しショックを感じるが、気になるレベルではない。アクティブステアリングは以前のものと比べて自然なフィールとなり、ハンドリングは最高だ。サイズや重さを感じさせず、ヒラリヒラリと軽快にワインディングを駆け抜ける。

アッパーミドルクラスのワゴンに乗っているとは思えないほどスポーティな走りっぷり。セダンとの価格差は30万円だが、旧型の525i ツーリングより35万円も安くなっている。しかも、装備や性能は格段にアップしている。

インポートワゴンのある豊かな暮らしを目指し、この金額を払うことができる人には、かなりお買い得なモデルと言えるだろう。しかも、エコカー減税の対象モデルなのだから。

画像: 絶妙な角度のテールゲートを持つ5シリーズ ツーリングのリアスタイルは、走っている姿もなかなか美しい。

絶妙な角度のテールゲートを持つ5シリーズ ツーリングのリアスタイルは、走っている姿もなかなか美しい。

■BMW 523i ツーリング 主要諸元

●全長×全幅×全高:4915×1860×1475mm
●ホイールベース:2970mm
●車両重量:1880kg
●エンジン種類:直6 DOHC
●排気量:2496cc
●最高出力:150kW<204ps>/6300rpm
●最大トルク:250Nm<25.5kgm>/2750-3000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●10・15モード燃費:10.4km/L
●タイヤ:225/55R17
●当時の価格<税込み>:640万円

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