e-POWERの中国への導入も発表
上海モーターショーは、北京モーターショーと1年おきに開催されている中国の自動車ショーで、世界最大級の規模を誇る。今回で第19回となる上海モーターショーで、日産は新型エクストレイルを中国市場で初公開するとともに、日産独自の電動パワートレーン技術「e-POWER」の中国への導入を発表する。さらに、日産が中国市場で推進する電動化の新たな幕開けと位置づけるクロスオーバーEV「アリア」も展示する。
エクストレイルは、初代モデルが発売された2000年から2020年までに、世界全体で累計626万台の販売を記録している。そのうち、2021年2月までに138万台が中国市場で販売されている。
新型エクストレイルは、日産のオールラウンドSUVの最新モデルだ。フルモデルチェンジにより、日産のSUV史上もっとも先進的なモデルに生まれ変わった。スタイリングは、2020年に北米で発表された「ローグ」の姉妹車的なデザインとなるようだが、どのように変わっているのか、実車を見るのが楽しみだ。従来型よりも汎用性と機能性が高められて、よりエキサイティングなドライビングを楽しめるという。
パワーユニットにはe-POWERも採用されるだろう。e-POWERには、2010年に世界初の量産型電気自動車として発売されたリーフで培われた電動化技術を応用している。e-POWERは、エンジンで発電して100%電気モーターで駆動する、いわゆる「シリーズハイブリッド」システムだ。電気自動車のようなレスポンスの良い加速とスムーズな減速、そして静粛性を実現するとともに、搭載しているガソリンエンジンが必要に応じて発電とバッテリーへの充電をすることで、外部からの充電を必要としない。
新型エクストレイルに搭載されるであろう2世代目となるe-POWERは、全面改良により、さらに力強く上質な走りと効率性の向上を実現している。また、2021年2月にヨーロッパで発表された新型キャシュカイに搭載される予定の1.5Lの可変圧縮比エンジン「VCターボ」を発電専用エンジンとして搭載したe-POWERも採用されるのではないかと噂されている。
2020年の北京モーターショーで、中国市場で初公開されたアリアも展示される。さらに、中国市場での電動化戦略の推進に向けた取り組みとコミットメントを示すものとして、ゼロエミッションの電気自動車の興奮と楽しさを世界中の人々に伝える、100%電気自動車の公道レース選手権「フォーミュラE」への参戦と、その成果も紹介する。また、リーフの現行モデルも展示する。
なお、今回の上海モーターショーの日産ブースでは、日産のルーツである日本に敬意を表し、日本のデザイン美学を具現化したまったく新しいデザインを採用しているという。