単一車種名でなくブランド名に成長した「MINI」
「眺めているだけで、楽しいカーライフを想像させてくれるクルマ大賞」があるとしたら、今回扱う2台がミネートされるのは確実。これに異を唱える人は、世界中を探してもまずいないだろう。とはいえ「こんなに大きいともはやMINIじゃない」と、陰口が叩かれていることも事実だろう。MINIを4台も乗り継いできた私ですら、そう思ったくらいなのだから・・・。
でもそれはまったくの食わず嫌いだったと、今では声を大にして言える。MINIはもはや単一車種名ではなく、ブランドの名前に成長したのだ。言うなればMINIは名字。「たとえば、太った細井さんとかと同じで、たまたまMINIが名字のクロスオーバーSUVなんですっ!」と、今ではそこら中で訴えているくらいで、それだけこの理論には自信がある。
大きくなったって、MINIの心を忘れたわけじゃない。MINIというブランドの真髄は「大真面目にふざける」だと、個人的には思っている。BMWの傘下に入って最初の新生MINIが登場した時、なにもかにもこんなに大きい必要ある?というくらいビッグサイズの、しかもまん丸の大きなスピードメーターがドーンと鎮座していたことは、皆さんの記憶にまだ新しいことだろう。と言っても、よくよく考えるとすでに20年近く前の話になるのだが・・・ 。
その間にMINIはすっかり成長し、いまやMINIクロスオーバーも2世代目となった。そこからさらにマイナーチェンジを果たしたのが、今回紹介するモデルとなる。このMINIクロスオーバーには、BMW X1やX2、MINIクラブマンと共通のアーキテクチャーが使われている。日本でのラインナップはディーゼルエンジンモデルが中心となるが、今回ご紹介するPHEVモデルも用意されている。