2021年4月2日、フェラーリ・ジャパンは都内で「SF90スパイダー」を初披露した。2020年11月にイタリア・マラネロでワールドプレミアされた「SF90スパイダー」は、SF90ストラダーレのスパイダーバージョンで、780psを誇るV8ターボエンジンに3基のモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドスパイダーである。日本市場での車両価格は5856万円。

プラグインハイブリッドパワーのシステム出力は1000ps

フェラーリSF90スパイダーは、そのモデル名から想像できるように、SF90ストラダーレのスパイダーバージョンとなるモデル。

フェラーリSF90ストラダーレは、フェラーリのルーツであるスクーデリア・フェラーリ(SF)の設立90周年にあたりF1技術の粋を結集して開発されたモデルで、パワートレーンに最高出力780psの4L V8ツインターボエンジンに3基のモーターと外部充電が可能なバッテリーが組み合わされたハイブリッドシステムを搭載。

フロントにRAC-e(コーナリングアングルレギュレーター-エレクトリック)システムの一部である2基のモーター、リアにはF1と同じくMGU-k(モータージェネレータユニット-キネティック)と名付けられたモーターを組み込み、システム合計で1000psの出力を発生しているが、「SF90スパイダー」もこれと同じパワートレーンを搭載する。

SF90スパイダーの最高速は340km/h、0→100km/h加速は2.5秒、0→200km/h加速は7.0秒というパフォーマンスが発表されているが、e-4WDと呼ばれる駆動システムは、エンジンと3基のモーターの出力を各輪に適切に配分するだけでなく、フロントの電動アクスルのみを用いる「eドライブ」も可能とする。

画像: ルーフにはノイズを遮断して高い快適性を提供するリトラクタブルハードトップを採用。

ルーフにはノイズを遮断して高い快適性を提供するリトラクタブルハードトップを採用。

ルーフにはノイズを遮断して高い快適性を提供するリトラクタブルハードトップを採用。トップを閉めた状態でSF90ストラダーレと同等のパフォーマンスを維持すること、トップを開けた状態でも空気の乱流とノイズを最小限に抑えること、そしてエンジンベイのフロアに影響を与えないことを念頭にスパイダー化が行われたという。また、このリトラクタブルハードトップは軽量コンパクトで、走行中でも14秒で開閉し、わずか100Lの格納スペースしか必要としないことも特徴となっている。

また、SF90スパイダーでは、SF90ストラダーレと同様、サーキット走行を想定した「Assetto Fiorano(アセットフィオラーノ)」バージョンをラインアップ。アセットフィオラーノには、ダウンフォースを生み出す専用カーボンリアスポイラー、専用アルミ製ダンパーとチタン製スプリング、ルーバー付きのレキサン製リアフード、専用カーボンインテリアパーツなどが含まれる。

フェラーリ・ジャパンのフェデリコ・パストレッリ代表は「SF90スパイダーはスーパーカーの概念を根本的に書き換える存在であり、フェラーリが誇るテクノロジーの頂点を極めたパフォーマンスを求めると同時に、ルーフを開けて走る喜びも味わいたいというオーナーにとって理想的なモデルです」とコメントしている。

ちなみに日本市場におけるフェラーリ SF90スパイダーの車両価格は5856万円(税込)に設定され、デリバリー開始は2021年秋頃ではないかと予想される。

画像: メータークラスターには16インチフルデジタルディスプレイを装備。ステアリングホイールには各種スイッチ、パドルのほか、タッチパッドも備わる。

メータークラスターには16インチフルデジタルディスプレイを装備。ステアリングホイールには各種スイッチ、パドルのほか、タッチパッドも備わる。

フェラーリSF90 スパイダー 主要諸元

●全長×全幅×全高:4704×1973×−mm(全高は未発表)
●ホイールベース:2649mm
●重量配分:前45/後55
●ラゲッジルーム:775L
●エンジン:V8 DOHCツインターボ
●排気量:3990cc
●エンジン最高出力:780ps/7500rpm
●許容エンジン回転:8000rpm
●モーターeDrive最高出力:162kW
●モーターeDrive航続距離:25km
●システム合計最高出力:735kW(1000ps)
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:前255/35ZR20、後315/30ZR20
●最高速:340km/h
●0→100km/h加速:2.5秒

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