スバルと共同開発したSUVタイプのEV「bZ4X」
トヨタは、これまでもCO2(二酸化炭素)排出量削減に取り組んできた。1993年には21世紀に地球に必要とされるクルマの姿を提案する「G21プロジェクト」を企画、その成果として1997年に、世界初の量産型ハイブリッドカー(HV)であるプリウスを導入。
以後、HV/PHEV(プラグインハイブリッド車)/EV(電気自動車)/FCV(燃料電池自動車)といった電動車のフルラインアップ化を推し進め、2020年末現在、乗用車・商用車合わせHVを45車種、PHEVを4車種、EVを4車種、FCVを2車種、計55車種の電動車をラインアップしている。
さらに、電動車のフルラインアップ化の一環とし2025年までにEV15車種を導入する計画を推進中で、そのうち新シリーズの「トヨタ bZ」については7車種を導入する計画だ。ただ、ユーザーのニーズに応じたさまざまな大きさ・スタイルのEVをトヨタだけで開発・導入することは困難であることから、BYD、ダイハツ、スバル、スズキといった、それぞれ得意分野を持つパートナー会社と共同で開発を進めているという。
今回、上海で発表された「bZ4X」はトヨタ bZシリーズ第一弾のEVで、パートナーの1社であるスバルとの共同開発によるSUVタイプのEVだ。両社で共同開発したe-TNGA EV専用プラットフォームを採用し、電動化を得意とするトヨタと、すぐれたAWD技術を持つスバルが互いに強みを持ち寄り、快適かつ楽しめる走りを実現するEVとしている。
bZ4Xの特徴は、以下のようなものが挙げられている。
●EV専用プラットフォームによる、ショートオーバーハング&ロングホイールベース化で、特徴的なスタイリングと、Dセグメント セダン並みの室内空間を実現。
●操舵時に持ち変える必要がなく、広々としたスペースの演出にも寄与する異形ステアリングホイールと、意のままにスムーズな運転感覚をもたらすステア by ワイヤを採用。
●低いインストルメントパネルやステアリングホイール上方に配置したメーターを採用し、開放感や視認性を向上するとともに、さらに安心・安全なドライビングに貢献。
●スバルと共同開発した新AWDシステムは、電動車ならではの素早いレスポンスを生かした安全で気持ち良い走りと、高い走破性を実現。
●回生エネルギーの活用に加え、ソーラー発電システムを採用することで停車中も充電を行い、EVならではの環境性能をさらに上積みする。冬場などでもユーザーに不便を感じさせない航続距離を確保。
なお、このbZ4Xは日本と中国での生産を予定しており、2022年年央までにグローバルでの販売を開始する計画だ。