2008年、広い室内空間を特徴とする元祖トールボーイ軽自動車が「三菱トッポ」として復活した。スズキ ワゴンR、ダイハツ ムーヴ、タントが人気を集める中、新生トッポはどんな個性、魅力を持っていたのか。ここでは発表後すぐに行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年12月号より)

実は「ハイトワゴンの軽自動車」は三菱自動車が開拓したカテゴリー

1位ワゴンRに2位ムーヴ、そして3位タント。2008年4〜9月の軽四輪新車販売速報ランキングを見るまでもなく、軽自動車の人気は全高1600mmを超えるトールボーイタイプやハイトワゴン系に集中している。ご存じの通り、この流れは最近に始まった話ではなく、すでに15年以上続く軽市場の流行だ。その始まりは1993年、初代ワゴンR登場がきっかけだったと思い込んでいた。

9月17日に発表/発売された三菱トッポのプレスリリース。「このトールボーイ タイプは三菱自動車が開拓したカテゴリーといっても過言ではありません」との記載。そう、考えてみればワゴンRの登場よりも3年も前、1990年には「ミニカトッポ」を、1998年には後継モデルの「トッポBJ」を発売していたのだ。その後の例の危機の際、販売力をeKワゴンに集中させるために2003年に販売を中止していたが、今なお続く背高軽自動車人気の後押しで、このたび新たな名前で「復活」したというわけ。

現行eKワゴンのプラットフォームをベースに、Aピラーより前のヘッドライトやボンネットなどのパーツをeKワゴン(ローデストはeKスポーツ)、それよりも後ろのボディシェルやガラスなどはトッポBJのものを流用したという新型トッポ。跳ね上げ式ではなく右開きとなるリアゲートの採用も、そうした出自を物語っている。

ただし、そんな生い立ちを感じさせないほどエクステリアのデザインはまとまっている。新型モデルが発するオーラには乏しいものの、落ち着いたたたずまいを見せる。

運転席に座り室内を見回しても、どこか既視感がある。ガラスエリアが広いために印象は多少異なるが、丸いフードを持つアナログのセンターメーターやインパネシフトなど、eKワゴンと同じインパネとなっている。

それにしても、頭上空間は恐ろしく広い。全高は1680mmと、このカテゴリーの軽として際だって背が高いわけではないのだが、フロア高を低く設計しているため、室内高は軽乗用車としては最大の1430mmを誇る。これは小学校高学年の子どもが車内で立ち上がっても頭が天井につかないレベル。着座位置も低く、前席でも後席でも頭まわりの開放感はタントやパレットよりも強い。

画像: 室内高は軽自動車トップの1430mm。ekワゴンをベースとしていることもあり、頭上空間はとにかく恐ろしく広い。

室内高は軽自動車トップの1430mm。ekワゴンをベースとしていることもあり、頭上空間はとにかく恐ろしく広い。

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