着座位置、目線の低さがスポーティ感を演出する
今回は同じ系列ながら、ボディ形状が異なるA5スポーツバックにも試乗することができた。グレード名は40TDIクワトロ アドバンスド。ファストバックスタイルの4ドアクーペのシルエットは、やはり一見してさらなる上級感が漂う。プラットフォームこそA4と共通だけれど、グレード感は1ランク上だ。
クワトロということもあり、車重は1680kgとA4アバントとほぼ同じ。14.6km/LというWLTCモード燃費も共通する。「クーペ」らしく、走り味はA5スポーツバックがもっともスポーティだった。その理由はふたつある。ひとつの違いは着座位置だ。A5スポーツバックの全高は1390mmとA4セダン/アバントより20~45mm低い。これはドライバーのヒップポイントが下がることを意味し、アイポイントもより低い位置になる。それが、走り出す前からスポーティ感を強く感じさせる大きな理由だろう
もうひとつの違いはタイヤだ。標準サイズは245/40R18だったが、試乗車は255/35R19 96YXLを履いていた。同時にテストドライブしたA4アバントも35R19だったが、横幅が245でA5の方が広かった。エンジンパフォーマンスそのものは同じでも、ディメンジョンの違いからくる重心位置の低下やタイヤのグリップ能力の違いなどによって、スポーティ感は変化する。アイポイントの違いからくる印象の差も、もちろん大きい。より低いルーフラインやサッシュレスドアなども、そういった「雰囲気作り」にひと役買っている。
それにしてもディーゼルエンジはやはり、魅力的だ。昔ほど特有のノイズは聞こえてこないし、高速走行時でも静粛性は高い。つまりディーゼルはスポーティにも走れるし、長距離ドライブするにも最適なエンジンなのだ。
ちなみに3台中ではA5スポーツバックが気に入った。ただし643万円。荷物がたくさん積めるA4アバントが641万円、セダンの538万円も魅力的。それでもあと105万円出せばA5スポーツバックが・・・まさに堂々巡り。アウディの新Dセグメントは、選ぶ悩ましさもこみこみのプライスタグを掲げている。(文:こもだきよし/写真:井上雅行)
アウディ A4 アバント 40TDI クワトロ Sライン 主要諸元
●全長×全幅×全高:4770×1845×1435mm
●ホイールベース:2825mm
●車両重量:1700kg
●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
●総排気量:1968cc
●最高出力:140kW(190ps)/3800-4200rpm
●最大トルク:400Nm/1750-3000rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:軽油・58L
●WLTCモード燃費:14.6km/L
●タイヤサイズ:245/40R18
●車両価格(税込):641万円
※試乗車A4 アバントにはオプションの19インチアルミホイールを装着。タイヤサイズは245/35R19
アウディ A4 35TDI アドバンスド 主要諸元
●全長×全幅×全高:4760×1845×1410mm
●ホイールベース:2825mm
●車両重量:1580kg
●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
●総排気量:1968cc
●最高出力:140kW(190ps)/3800-4200rpm
●最大トルク:400Nm/1750-3000rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:軽油・54L
●WLTCモード燃費:17.1km/L
●タイヤサイズ:225/50R17
●車両価格(税込):538万円
アウディ A5スポーツバック 40TDI クワトロ アドバンスド 主要諸元
●全長×全幅×全高:4755×1845×1390mm
●ホイールベース:2825mm
●車両重量:1680kg
●エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
●総排気量:1968cc
●最高出力:140kW(190ps)/3800-4200rpm
●最大トルク:400Nm/1750-3000rpm
●トランスミッション:7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:軽油・58L
●WLTCモード燃費:14.6km/L
●タイヤサイズ:245/40R18
●車両価格(税込):643万円
※試乗車A5 スポーツバックにはオプションの19インチアルミホイールを装着。タイヤサイズは255/35R19