留まることを知らないクルマの電動化の波。それにともない、内燃機関主流の時代では馴染みのなかったクルマ用語が、これまた次から次へと登場してきている。そんな中「ちょっと乗り遅れたかもしれない」と不安を感じたあなたのために、ベーシックな電動化モデル関連用語の解説を10回に分けてお届けする。千里の道も一歩から!なのである。

日常利用の普通充電、遠出での際の急速充電

BEV(電気自動車)を充電するには、普通充電と急速充電という2つの充電方法がある。普通充電とは、交流の100Vもしくは200Vという比較的に低い電圧でゆっくり時間をかけて充電を行うものを指す。家庭の駐車場などで行う、日常的なEVの充電方法と考えられているため、名称も普通充電と呼ばれるのだ。

一方、急速充電とは、文字通りに急いで充電するときに利用する方法だ。直流で高い電圧でもって充電するため、普通充電よりも短い時間でより多くの電力を充電できる。「EV QUICK」と表示された青い看板が目印で、高速道路のSAなどに設置されている充電設備のほとんどが、その急速充電器となる。また、日産や三菱自動車のディーラーの多くにも急速充電器が用意されている。

画像: 日産リーフe+の充電ポート。右が普通充電で左が急速充電(チャデモ式)となる。

日産リーフe+の充電ポート。右が普通充電で左が急速充電(チャデモ式)となる。

世界的には様々な規格が存在するが、日本ではチャデモ(CHAdeMO)方式が一般的になる。充電時間は1回30分で、設備によって異なるが、おおよそ30kWhの電力を充電できるものが主流となっている。海外ではコンボ方式や中国方式などが存在する。また、テスラはチャデモ方式にも対応できるが、テスラスーパーチャージャーと呼ぶ、チャデモ方式よりも高出力の独自方式も用意している。

テスラのEVは電池容量が大きいため、出力の大きい充電設備の利用が望ましいからだ。また、ポルシェも独自の高出力な急速充電設備を用意している。これも、ポルシェのEVであるタイカンが搭載する電池の容量が大きいのが理由だ。

基本的にEVの電池は、高温になると劣化が促進される。そのため、高電圧を使う急速充電よりも、電圧の低い普通充電を利用する方が、電池には優しい充電となる。普通充電と急速充電の使い分けは、日常は普通充電でまかない、遠出するときだけ急速充電を行うというのが基本となる。また、出社や買い物など、出かけた先の駐車場にクルマを長時間にわたって停車するときに、普通充電を行うことも推奨されている。(文:鈴木ケンイチ)

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