留まることを知らないクルマの電動化の波。それにともない、内燃機関主流の時代では馴染みのなかったクルマ用語が、これまた次から次へと登場してきている。そんな中「ちょっと乗り遅れたかもしれない」と不安を感じたあなたのために、ベーシックな電動化モデル関連用語の解説を10回に分けてお届けする。掲載第8回目は、自宅に設置する充電設備についてだ。千里の道も一歩から!なのである。

ケタ違いに高い急速充電器の設置費用

BEVやPHEVを手に入れたら、自宅の駐車場に充電設備を導入することになる。充電は100V/200Vの普通充電であれば数時間必要であるし、急速充電でも30分以上かかる。ガソリンスタンドに給油に行くように、外で充電していては不便で仕方ないからだ。

そこで充電設備にかかる費用だが、10万円ほどが目安だ。これは機器と工事の費用を含んだものとなる。ただし、自宅に設置するのは、基本的には普通充電用の設備だ。しかし、「何時間も充電にかかるのは嫌なので、いっそ急速充電器を自宅に設置したい」という人もいるだろう。だが、一般家庭に急速充電器を設置するのは、まったくおすすめできない。端的に言って費用が高すぎるのだ。

画像: 自宅での充電施設は普通充電を選びたい。(日産リーフ)

自宅での充電施設は普通充電を選びたい。(日産リーフ)

まず、急速充電器は出力の大きさによって価格も大きく違うが、それでも50万円を切ることはない。最多価格帯は200~250万円だ。また、高電圧を扱うため、そのための設備や設置費用もかかる。これも数百万円から、下手をすると1000万円を超えることもある。設置だけで数百万円以上かかるのだ。

しかも、電気料金も当然のように高いし、設備の保守・点検にもお金がかかる。実際のところビジネスとして急速充電器を設置しても、設備費用やランニングコストが高すぎ、しかも充電料金を高く請求できないため、あまり儲からないという話も耳にするくらいなのだ。

また、EVに搭載している電池は熱に弱い。熱を持つほど、寿命が縮んでしまうのだ。そして急速充電を行うと電池は熱くなる。つまり、電池の寿命を考えた場合、なるべく急速充電を行わずに、普通充電でゆっくりと熱をかけないように使うのがおすすめとなる。自宅での急速充電は、電池の寿命的にもやめたほうがいいだろう。(文:鈴木ケンイチ)

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