留まることを知らないクルマの電動化の波。それにともない、内燃機関主流の時代では馴染みのなかったクルマ用語が、これまた次から次へと登場してきている。そんな中「ちょっと乗り遅れたかもしれない」と不安を感じたあなたのために、ベーシックな電動化モデル関連用語の解説を10回に分けてお届けする。掲載第9回目は、「電欠」についてだ。千里の道も一歩から!なのである。

充電場所も考慮に慎重にドライブ計画を立てよう

BEVに対する一番の不安は「電欠」したときのことだろう。充電されていた電気を使い切って動けなくなる状況だ。エンジン車と比べると、BEVは航続距離が短いのも不安を大きくする要因のひとつとなっている。

では、「電欠」したときはどうするのか。その答えは「レッカー車で最寄りの充電設備まで運んでもらい、そこで充電する」となる。充電さえすれば、何も問題なく、そのまま再走行が可能となる。

JAFの会員であれば、15kmまでのレッカー移動は無料。会員でなくても、基本料金(一般道8380円/夜間1万0480円)+1kmごとに730円で運んでもらえる。また、自動車メーカーがレッカー費用無料のサポートプログラムを用意していることもある。最近は、ロードサービス付きの自動車保険も多いため、そうしたサービスを利用すればいいだろう。

画像: ほとんどのBEVは電池残量や航続可能距離を、車内だけでなくアプリを使ってスマートフォン等で確認することができる。

ほとんどのBEVは電池残量や航続可能距離を、車内だけでなくアプリを使ってスマートフォン等で確認することができる。

充電設備は、高速道路のSA/PA、道の駅をはじめ日産や三菱のディーラー、商業施設などに用意されている。急速充電施設も全国約7800カ所もある。それだけあれば、JAFの会員向けの無料レッカー移動15kmの範囲で急速充電設備を探すことも可能になるだろう。

また、現実には電池の容量が減ってくると、クルマ側からの警告も発せられる。「気が付かずに電欠した」ということは、量産BEVではまずありえない。目的地までの距離と充電の残りを、冷静に判断していれば、電欠になることは、そうそうないはずだ。

ただし、充電設備のすべてが365日24時間いつでも利用可能というわけではない。特に夜間、商業施設が閉まっていて使えないこともあるので注意しよう。また、急速充電器には性能の違いがある。同じ30分の急速充電でも、出力が低くて、思ったよりも充電できないこともある。そういう意味では、BEVのドライブ計画は慎重に立てる必要があるだろう。スマートフォンのアプリでBEV用充電設備を案内するものもある。そうしたサービスを上手に使いたいものだ。(文:鈴木ケンイチ)

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