「温故知新」の逆というわけではないが、最新のプジョー車に乗りながら、古(いにしえ)のプジョー車に思いを馳せてみたい。今回は、最新の電気自動車であるe-208から、過去のプジョー製電気自動車を振りかえってみたい。(タイトル画像は、上が1994年に発表されたEVコンセプトカー「iON」、下がe-208)

第二次大戦のさなかに電気自動車を商品化

画像: プジョー ミュージアムに展示された各種のEV。右手前が1941年に市販されたVLV。4ホイールだが、リアのトレッドはごく狭い。

プジョー ミュージアムに展示された各種のEV。右手前が1941年に市販されたVLV。4ホイールだが、リアのトレッドはごく狭い。

プジョーはe-208を出す前、BEVを三菱 i-MiEV のOEM提供を受けてまかなっていた。こんなに商品力の高いモデルを自社で開発できるなら、最初からそうすればよかったのにと思ってしまうが、いろいろ都合があったのだろう。

プジョーは、もともと電気自動車の開発に積極的な姿勢をとるメーカーだった。その歴史をさかのぼると、1902年の段階で電気自動車の研究をしたことがあったという。最初に商品化されたのは、1941年のVLVである。VLVとはフランス語の「Vehicule Leger de Ville」の頭文字をとったもので、「軽量なシティカー」を意味した。

VLVは、当時の課税馬力区分で2CVに相当する文字どおりの軽便的車両で、軽量化のためボディはアルミ製だったとされる。当時は第二次世界大戦のさなかでフランスはドイツ占領下にあり、物資の不足した状況で市民の足となるクルマとして、ガソリンを使わない電気駆動が選ばれた。終戦後すぐに日本でも「たま」という電気自動車が市販されたことがあるが、同じような理由からである。

ただ、プジョーの場合は、戦時中にもかかわらず「乗用車」を発売したことが特筆される。ほかのメーカーでは見られない商品展開だった。もっとも、1943年になるとドイツ軍への資材提供が優先されることから当局が製造中止を命令し、VLVはわずか377台製造しただけで終わった。

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