2021年7月18日に行われたF1第10戦イギリスGP決勝はホンダ勢にとって厳しい結果となったが、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)が10位入賞を果たして貴重なポイントを獲得した。どんなレースだったのか、振り返ってみよう。

ピットストップを遅らせる戦略で奮闘

優勝が期待されたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の衝撃的なクラッシュで揺れた第10戦イギリスGP。ホンダにとっては厳しい結果となった。

ホンダ勢の中で最も良いリザルトを残したのは10位に入賞した角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)。16番グリッドからミディアムタイヤでスタートした角田は、ピットストップを遅らせて、全車の中で最も遅い30周目にハードタイヤに交換すると、ペースを維持しながら順位を上げて10位に入賞。自身4度目、2戦ぶりのポイント獲得となった。

レース後、角田は「ポイント獲得を果たせてうれしいです。プランに忠実にレースを進めてタイヤマネージメントに集中しました。レースウイークを通じて苦戦していましたし、新フォーマットによって僕のようなルーキーには厳しさが増したと思います。そうした中でもチームにとって重要なポイントを持ち帰ることができて、満足しています」と自信を深めつつある。

画像: ピットストップを遅らせて、ミディアムタイヤ→ハードタイヤで着実に順位を上げて10位に入賞。プランをきっちりとこなして結果を出した角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)。

ピットストップを遅らせて、ミディアムタイヤ→ハードタイヤで着実に順位を上げて10位に入賞。プランをきっちりとこなして結果を出した角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)。

一方、チームメイトのピエール・ガスリーも角田と同様の戦略を選択。赤旗中断後のレースを12番グリッドからミディアムタイヤでスタートすると、28周目にハードタイヤに交換して、終盤にはポイント獲得圏内までポジションアップしていたが、パンクに見舞われて残り5周でソフトタイヤに交換。結局11位に終わりポイント獲得はならなかった。「レース中にトラフィックを攻略して単独走行していたときのペースはよかった」だけに残念な結果となった。

ペレスはハミルトンの1ポイント追加を阻止

レッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスにとって、イギリスGPはさらにフラストレーションが溜まるレースとなった。

ペレスは19番グリッドからハードタイヤでスタートすると、見事な追い上げを見せて10番手まで浮上したが、終盤、チームはチャンピオンシップを考えて戦略を変更。ソフトタイヤに交換してハミルトン(メルセデス)のファステストラップを破る作戦に出る。結果的にペレスは16位でフィニッシュしたためトップ10以上に限定されるファステストラップポイントの獲得はならなかったが、タイトル争いのライバルであるハミルトンの1ポイント追加を阻止することに成功した。

レース後、結局1ポイントも獲得することができなかったペレスは「残り数周でランス(ストロール)とフェルナンド(アロンソ)をパスして7位になることはできたと思いますが、戦略的な理由でファステストラップを目指すためにピットインしました」と語っている。

画像: レッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスはチームの戦略にしたがって2ストップを選択。ハミルトンのファステストラップを阻止した。

レッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスはチームの戦略にしたがって2ストップを選択。ハミルトンのファステストラップを阻止した。

タイヤを供給するピレリは、イギリスGPについて「ハミルトンはミディアムタイヤでスタートし、赤旗中断中に別のミディアムタイヤに変更し、ハードタイヤで劇的な勝利をあげました。イギリスGPではスタート時にタイヤを自由に選択できましたが、ペレスがハードタイヤでスタートした以外、全員がミディアムタイヤを選択。ペレスとガスリーをのぞく全員がミディアム→ハードという戦略になりました。赤旗中断中のタイヤ交換、ダメージ修復作業は許されています。残念な結果にはなりましたが、トップドライバー2人の間で素晴らしい決闘は見応えがありました」と振り返っている。

画像: イギリスGPのタイヤ戦略。ペレスとガスリーをのぞく全員がミディアム→ハードという戦略をとった。

イギリスGPのタイヤ戦略。ペレスとガスリーをのぞく全員がミディアム→ハードという戦略をとった。

シーズン前半戦最後のレースとなる次戦第11戦ハンガリーGPは、7月30日から8月1日、首都ブタペスト近郊のハンガロリンク・サーキットで開催される。

2021年F1第10戦イギリスGP決勝 結果

1位 44 L.ハミルトン(メルセデス)52周
2位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+3.871s
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)+11.125s
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+28.573s
5位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)+42.624s
6位 55 C.サインツ(フェラーリ)+43.454s
7位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+72.093s
8位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+74.289s
9位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+76.162s
10位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+82.065s
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11位 10 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)+85.327s
16位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+1周
リタイア 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

2021年F1ドライバーズランキング(第10戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 185
2位 L.ハミルトン(メルセデス) 177
3位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス) 113
4位 V.ボッタス(メルセデス) 108
5位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)104
6位 C.ルクレール(フェラーリ) 80
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9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)39
14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)10

2021年コンストラクターズランキング(第10戦終了時)

1位 レッドブル・ホンダ 289
2位 メルセデス 285
3位 マクラーレン・メルセデス 163
4位 フェラーリ 148
5位 アルファタウリ・ホンダ 49
6位 アストンマーティン・メルセデス 48

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