新型ゴルフは新しい時代の象徴として生みだされた。だからこそADASやインターフェイスもまた新時代をしっかり実感させるための斬新なアプローチを見せる。それこそがまさに、新型ゴルフを選ぶ醍醐味と言えるかもしれない。(Motor Magazine2021年8月号より)
直感操作がストレス解消。慣れるには時間もかかる
実は新型ゴルフで進められたインターフェイスの「徹底的なデジタル化」もまた、走行時の安心感を高めるための新たな進化の方向性、と言える。そのポイントは、直感的な操作。たとえばエアコンの温度やオーディオの音量、ナビゲーションのスケールといった、意外にチョコチョコいじる機会が多い「調節」を、つまみやスイッチで行うのではなく、スマートフォンやタブレットを使う感覚でこなそう、という発想だ。
新型ゴルフはディスプレイ下に配置された「タッチスライダー」という横長のデバイスが、その名のとおり「タッチで直感的にコントロールする」ことを可能にした。
こちらも今回の取材中、できるだけ頻繁に使うようにしてみたのだけれど、最初はなかなか「タッチ」の加減がつかめなかった。それでも慣れてくれば、それなりに自然に指タッチであれこれこなすことができるようになっていた。「デジタル化」という表現にはちょっと堅苦しいイメージがある。けれど実は、新型ゴルフのインターフェイスは、デザイン的にもオシャレにまとめられている。
見慣れたハズのデジタルコックピットプロだけれど、わずかにドライバー側にオフセットするように広がっているタッチ式ディスプレイが、適度で心地よい包まれ感をもたらしているようだ。物理的なスイッチが極力減らされたことで生まれるすっきり感は、わかりやすく「最新のクルマに乗っている」気分を満喫することができる。
最新インフォテインメントシステムの充実ぶりも含めて、デジタル化を楽しむこともまた、新型ゴルフを選ぶ醍醐味と言えそうだ。(文:Motor Magazine編集部 神原 久/写真:永元秀和、井上雅行)