コネクテッド基盤の構築や電動化への技術協力も目指す
CJPは、いすゞと日野が培ってきた商用車事業基盤に、トヨタのCASE技術を組み合わせることでCASEの社会実装・普及に向けたスピードを加速。輸送業が抱える課題の解決やカーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目標に、2021年4月に立ち上げた取り組みだ。正式社名は「コマーシャル ジャパン パートナーシップ テクノロジーズ(CJPT)」となる。
日本の自動車保有台数である約7800万台の約40%、約3100万台を軽自動車が占めている。地方では軽自動車の比率は50%を超え、日常生活に欠かせない「ライフライン」だ。さらに軽自動車の約58%は商用車であり、このサイズだからこそ入ることのできるエリアをカバーし、物流のラストワンマイルを支える存在でもある。
軽自動車はカーボンニュートラル社会の実現やCASE技術の普及において重要な役割を果たすことが期待される。しかしその一方で、この大変革期において、軽自動車メーカー単独では解決できない課題も多く存在している。
そこで、軽自動車メーカーの双璧をなすスズキとダイハツがCJPに加わり、協業体制を軽自動車まで拡大することで、トラックから軽商用車まで一気通貫での物流効率化を図る。また、スズキとダイハツの良品廉価なものづくりの力とトヨタのCASE技術を活かして、廉価な先進安全技術や電動化の普及に向けた取り組みを一緒に進めていく。
スズキとダイハツがCJPでの協業で、どのようなことが行われるかは具体的には発表されていないが、以下のような目標が掲げられている。
1)物流の大動脈(トラック物流)から毛細血管(軽商用車)までつながる、コネクティッド基盤構築による物流効率化
2)ADASなど、安心安全に寄与する先進安全技術の商用車~軽自動車までの普及拡大
3)サステナブルな普及を目指す、良品廉価な軽自動車の電動化に向けた技術協力
CJPはトヨタを中心に、いすゞ、日野、スズキ、ダイハツの5社が協業することで、日本の商用車事業に大きな影響を与えていくことは間違いない。これからの新たな協業の計画に期待したい。