自転車を積んだままソフトトップの開閉ができる!
ロードスターのオーナーは「いつも風を感じて走っていたい!」ようで、サイクリングやMTB(マウンテンバイク)など、自転車の愛好者も多い。だが、ソフトトップのロードスターでは(RFも同様だが)、一般的なセダンやワゴンのようなルーフキャリアを装着できない。
それでも、愛車のロードスターに自転車を積んで2&4ライフを楽しみたい!というワガママな?オーナーにオススメしたいのが、ここで紹介する「吸盤式キャリア」だ。このキャリアを開発したのは、鎌倉市の「ホウコーポレーション」。アルミ製のパイプで組まれたフレームと自転車積載用のアーム、そしてバキューム式吸盤からなるキャリアはきわめて軽く、女性でも片手で持てるほど。
まずはトランクリッドの上にキャリアをセットし、バキューム式吸盤で固定する。この吸盤が優れもので、クルマのウインドーガラス装着用に自動車メーカーなどで使われている、アメリカのパワーグリップ社製。トランクリッドに軽く押しつけ、吸盤の横にあるポンピングバーを赤いラインが消えるまで数回押すだけ。これで吸盤内が真空状態となり、キャリアをガッチリと固定する。万が一の脱落防止用にベルトをかけて、キャリアの装着は完了。
このキャリアはフロントホイールを外せるタイプの自転車に対応しており、フレーム&リアホイール部とフロントホイールをキャリアにセットし、固定するだけ。こちらも万が一の脱落防止用にベルトをかけておく。この一連の作業は、ひとりでも問題なくできる。
自転車をおろしたり、キャリアを外すのは逆の工程を行うだけ。吸盤を外すのも簡単で、端にある突起を押し上げればポンピングバーが戻って吸盤内の真空状態を解除できる。キャリアのセットから自転車を積み終わるまでの所要時間は、慣れてしまえば10分もかからないだろう。
しかも、このキャリアのスゴいポイントは、自転車を積載したままソフトトップの開閉ができてしまうこと! クローズドで自転車を積んでリゾート近くまで走ってきたら、自転車をおろさずにオープンにして目的地に向かう・・・なんてことができてしまう。また、自転車をおろしてリアバンパー部の吸盤を外せば、キャリアを付けたままでもトランクの開閉ができるのもありがたい。
さて、実際にキャリアをセットして自転車を積載して走ってみたのだが、もちろん注目度は抜群! 街中では道行く人が「エッ!」という顔をしてガン見してくるし、対向車や隣車線のクルマからの視線をすごく感じる。
見た目以上にキャリアはガッチリしており、しかも自転車はフレーム/ホイールともしっかり固定されているので、一般道はもちろん高速道路を走ってもグラついたりガタガタと音が出たりもしもない。クローズド状態での後方視界も悪くないし、高速道路で横風の影響を受けることも少ない。
自転車はドライバーの後方に積まれているから、オープン時の風切り音が大きくなるのはほとんど気にならない。この状態でワインディングロードを攻める・・・なんて人はいないだろうけど、極端な横Gをかけない限りは自転車に影響はないだろう。
ただし、積載する自転車のサイズにもよるが、いちばん高いサドル部が1.7mくらいになる場合もあるから、自転車を積んだままでタワーパーキングはもちろん駐車不可だし、ファミレスの入口のように高さ制限のある場所は注意したい。もちろん、一般道や高速道路のETCゲートなどは問題ないけれど。
なお、ホウコーポレーションでは、このソフトトップのロードスター用だけでなく、ロードスターRFや、さまざまなオープンカーに対応する自転車用キャリアを製作している。さらに、ロードスターRF用にはもっとスゴいキャリアも設定されているのだが、これは次の機会に紹介することにしよう。(文:Webモーターマガジン編集部 篠原政明/写真:永元秀和/モデル:井口カノン、笠原美香)