「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、アウディ A1だ。

アウディ A1(2011年:ニューモデル)

画像: 小さいながらも高級感を醸し出している佇まい。全幅は1.7mを超えるので3ナンバー扱いとなる。

小さいながらも高級感を醸し出している佇まい。全幅は1.7mを超えるので3ナンバー扱いとなる。

昨年(編集部註:2010年)は日本での新車登録台数が過去最高をマークしたアウディ。ライバル勢が伸び悩む中での好調ぶりは、数字がしっかり証明しているし、ブランドイメージもずっと右肩上がりだ。また、車種ラインアップのバリエーションを積極的に拡大しているのはライバル勢も同様だが、アウディがもっとも勢いを感じさせる。

そんな中、日本に導入されるアウディ車として初のBセグメント カーとなるA1が発売された。車両価格が300万円をだいぶ下回ったことで、現実に購入を考える人も少なくないだろう。

A1は、まず見た目がとても魅力的だ。全体のフォルム自体がとてもキレイだし、シングルフレームグリルやLEDを駆使したウイングデザインのランプ、独特のルーフアーチなど、いくつもの印象的なアイキャッチがある。

航空機の水平翼にインスピレーションを得たというダッシュボードや、ジェットエンジンのタービンをモチーフとするエアコン吹き出し口など、インテリアのデザインもユニークだ。レザーパッケージ(オプション)に設定されたミラノレザーシートの素材感や作りも極めて上質。その雰囲気は、国産車どころか欧州車でも、このクラスのクルマとしては前例がないように思える。

クルマとしての基本骨格はフォルクスワーゲン ポロとの共通性が高く、パワートレーンはゴルフ コンフォートラインとスペックも共通の1.4L TFSIエンジンに、乾式クラッチ採用の7速Sトロニックが組み合わされる。

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