マツダ ロードスター「伝説の開発主査」こと貴島孝雄氏が、現役時代に出会った記憶に残る人物を紹介する連載企画。最終回となる第8回の今回は、山口東京理科大学の同僚「永田寅臣教授」を紹介する。

本で見知った貴島さんが大学で教鞭をとるって?

貴島教授が教鞭をとる山口東京理科大学には、クルマに興味のある先生方が多いそうだ。工学部・機械工学科の永田教授(工学博士)もそのひとりで、「知りたいことがあると、内線がかかってきますよ」と貴島さん。さっそく部室を訪ねると、机の上にはクルマ雑誌が! モーターマガジン社の取材だと知ると、「もちろん知ってますよ。ホリデーオートのOh! My街道レーサーを読んでましたよ」とうれしい返答。

永田教授は大学で、ロボットとAI分野の研究を行っている。人が作業するように、手加減しながらモノを磨く、といった産業用ロボットや、熟練の人が見分けるように欠陥品を判断するロボットなどを研究している。

永田教授はケンメリを乗り継ぎ、ハコスカやAE86、サニトラを所有するなど、かなりのクルマ好きでもある。貴島さんのことは本で見て知っており、まさか同じ大学で教鞭をとることになるとは思っていなかったと語った。

「私も初代ロードスターに乗っていたことがあるんです。平成2年式で、購入時からハードトップを装着してました。それを外したは2回くらいかな。ゴーカートみたいで運転が楽しく、いつまでも乗っていられました。九州から北海道まで走った思い出があります。

画像: 永田教授が乗っていたというNAの写真。バネカットでシャコタン、まさに昭和なチューニングで楽しんだ。

永田教授が乗っていたというNAの写真。バネカットでシャコタン、まさに昭和なチューニングで楽しんだ。

当時は何も知らずに、とりあえず某社のショックを入れてみたら、なんかガタつくんです。そこでKONIに変更したら、これが良かったんですよ。バネを替えて車高を落とすのはよくやりましたが、ショックを変えたらシャコタンでも乗り心地が良い。ダブルウイッシュボーンの構造とはこういうものかと学びました。当時はシャコタンにするだけで楽しいと思ってましたが、クルマが軽いというのがおもしろさにつながる、というのを貴島さんに教えてもらいました。」

昔のクルマは軽くて乗りにくい面もあるけれど、その軽さがいかに楽しさに寄与しているか。そんな話を二人ですることもあるそうだ。貴島さんの印象については、「本で見るのとはやはり違いますね」

貴島さんの赴任以降、校内にロードスターの姿が増えてきているとか。まだまだロードスターがつなぐ縁は続くようだ。

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