「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、BMW 6シリーズ カブリオレだ。

カッコだけでなく走りも十分以上に満足できるものだった

まずはオープンで走りだす。市街地・高速・山道でもAピラーがブルブルすることなく、しっかりしたボディ剛性を感じた。ねじれ剛性は50%向上している。クローズドにしても乗ったが、ボディ剛性には差を感じないほどオープンでもしっかりしていた。

6シリーズカブリオレはエレガントさを狙ってかソフトトップを継承している。車速が40km/h以下なら、走行中でもソフトトップの開閉ができる。クローズは24秒、オープンは19秒とけっこう速い。

一番感心したのは新設計のフロントシート。その座り心地、お尻と背中のフィット感、長時間ドライブでの疲れのなさなど、これまでのBMWのシートでベストといえる。スポーツシートでなくても十分にスポーツドライビングが可能だ。

画像: 操作しやすいインターフェースで安全&快適装備は満載。カーナビなどを表示するモニターは10.2インチと大きい。

操作しやすいインターフェースで安全&快適装備は満載。カーナビなどを表示するモニターは10.2インチと大きい。

ワインディングロードでは600Nmのトルクを使いこなして走れるだけの脚を持っていることを確認した。コーナーのターンインではハンドル角に正確にノーズを内側に曲げてくれるから、思いどおりのライントレースが可能だ。アクセルペダルを踏み込んでいくと、前後のタイヤの絶妙なバランスでコーナーを脱出していくのが気持ち良い。

電動パワーステアリングはちょっと軽めだが、切り始めも切り込んでからもとても自然なフィールで良かった。カブリオレの走りを堪能したら、秋にデビューするというクーペがますます楽しみになってきた。

画像: リアシート後ろにはデフレクターも備わり、サイドウインドーを上げていれば高速のオープン走行も苦にはならない。

リアシート後ろにはデフレクターも備わり、サイドウインドーを上げていれば高速のオープン走行も苦にはならない。

■BMW 650iカブリオレ(日本仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4895×1895×1365mm
●ホイールベース:2855mm
●車両重量:2050kg
●エンジン種類:V8 DOHCツインターボ
●排気量:4394cc
●最高出力:300kW<407ps>/5500rpm
●最大トルク:600Nm<61.2kgm>/1750-4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●JC08モード燃費:7.7km/L
●タイヤ:前245/40R19、後275/35R19
●当時の車両価格(税込):1330万円

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