一気に電動化が進んだプジョーのSUVモデルたち。どれもそれぞれに魅力的なので、パワートレーンを選ぶのが悩ましい。今回はその中でも、プジョー初のPHEVとしてデビューした3008GTハイブリッド4に試乗した。(Motor Magazine2021年9月号より)

3008GTハイブリッド4は実に刺激的な走行フィールだ

デフォルトの「HYBRID」で走り出すと右足をアクセルペダルに軽く乗せただけでPHEVらしくスルスルとスムーズに動き出す。少し踏み増しただけでは、滅多にエンジンはかからない。後輪を駆動する電気モーターによる力強い加速力を味わえるだけだ。

「SPORT」でワインディングロードも走ったが、これが実に楽しい。最高出力300psは伊達じゃない。出力&トルクに不足を感じることはまったくなかった。さらにオフロードコースを「4WD」モードにして走ったが、あらゆる場面で安心できる安定した走りを見せてくれた。

3008のパワートレーン選択肢は多いが、このハイブリッド4が一番気に入った。刺激的な走行フィールは、自らハンドルを握って確認することをお勧めする。積極的に選びたくなるクルマに仕上がっている。

プジョーのSUVには、この他にも2008と5008があり、2008には1.2Lガソリン/BEV、3列シートを採用する5008には1.6Lガソリン/2Lディーゼルを用意する。セグメントこそ違いはあるが、どちらもプジョーらしい粘りのあるフットワークと軽快な走りが魅力的である。ライフスタイルに合わせて選んでも後悔はないだろう。

プジョーは、FCAと合併し大きなアライアンスの「ステランティス」の一員となった。今後は、そのスケールメリットを活かした研究、開発、生産、販売が行われるわけだが、その中心となるのが電動化だろう。すでにプジョーは、PHEVもBEVも市販車しているが、今後はその動きが加速する。

ブジョーブランドが出した電動化のステートメントは「Turing Sastainable Mobility into Quality」。文字どおり、これからプジョーからリリースされる上質な電動化モデルが楽しみである。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:小平 寛、井上雅行)

画像: e-2008。ピュアガソリン車とピュアEVがセレクトできる2008は、新世代プジョーSUVの急先鋒的存在と言えるだろう。

e-2008。ピュアガソリン車とピュアEVがセレクトできる2008は、新世代プジョーSUVの急先鋒的存在と言えるだろう。

プジョー 3008GT ハイブリッド4 主要諸元

●全長×全幅×全高:4450×1840×1630mm
●ホイールベース:2675mm
●車両重量:1850kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1598cc
●最高出力:147kW(200ps)/6000rpm
●最大トルク:300Nm/3000rpm
●モーター最高出力:前81kW/2500rpm、後83kW/14000rpm
●モーター最大トルク:前320Nm/500-2500rpm、後166Nm/0-4760rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・43L
●WLTCモード燃費:15.3km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):595万円

プジョー電動化モデルのバリエーションがますます増える予感あり

画像: 3008ハイブリッド225e。一見して高性能版との違いを見分けるのは難しそう。今のところ、日本市場に導入される予定は公表されない。

3008ハイブリッド225e。一見して高性能版との違いを見分けるのは難しそう。今のところ、日本市場に導入される予定は公表されない。

パワー控えめ、航続距離多めなFF仕様の3008ハイブリッド225e

日本に導入されている3008ハイブリッドは「4」とつくとおり前後2モーターの4WDのみだが、欧州ではさらに手ごろな価格の1モーターFF版も存在する。システム出力は225psとやや控えめだが、それでも最高速度は225km/hに達する。EVモードの航続距離はWLTPで56kmとなっている。

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