2021年9月3日(ドイツ現地時間9月2日)、アウディAGは「IAA 2021(2021年9月7日〜17日ドイツ・ミュンヘン)」で発表するコンセプトカー「グランドスフィア コンセプト(grandsphere concept)」を公開した。「グランドスフィア コンセプト」は、開かれたクルマの未来を再定義するスフィアコンセプトカーシリーズの第2弾となるモデルで、今回は「未来の高級車」のあり方を提案する。8月10日に2ドアロードスターのコンセプトカー「スカイスフィア コンセプト(skysphere concept)」が第1弾として登場しており、この後、2022年に公開される第3弾の「アーバンスフィア コンセプト(urbansphere concept)」でシリーズが完結する。

観音開きのドアを持つラグジュアリーなGTカー

グランドスフィア コンセプトはBピラーのない観音開きのドアを持つパーソナライズされた2+2シーターで、乗員を事前に認識して自動的にドアを開け、乗員に合ったシートポジションや空調コントロールを設定し、インフォテイメントシステムを乗員が最近使用したサービスにアクセスする。すべての乗員に完全なプライベート空間が確保され、スピーカーから流れるサウンドがほかの乗員に聞こえることはないという徹底ぶりだ。

レベル4の自動運転では、ステアリングホイールやペダル類が格納されてキャビンはすべてがフリースペースとなり、複数のディスプレイや投影画面で映画を楽しんだりビデオ会議に参加することもできる。

コントロールエレメントも先進的で、MMIタッチレスポンスのほか、アイトラッキング、ジェスチャーコントロールなど複数のインターフェイスが用意される。

こうした空間を包み込むボディは、全長5.35m、全幅2m、全高1.39mという堂々としたサイズで、3.19mというホイールベースはA8のロングバーションをも上回る。そのエクステリアデザインは、先進のライティングテクノロジーなどで未来を示す一方で、伝統的な美しさも盛り込んだものとなっている。

画像: グランドスフィア コンセプトはBピラーのない観音開きのドアを持つパーソナライズされた2+2シーター。電気自動車のためセンタートンネルのない広々とした空間が作られている。

グランドスフィア コンセプトはBピラーのない観音開きのドアを持つパーソナライズされた2+2シーター。電気自動車のためセンタートンネルのない広々とした空間が作られている。

フロントとリアにそれぞれモーターを搭載するクワトロドライブ

プラットフォームは電気駆動専用に開発されたプレミアム プラットフォーム エレクトリック(PPE)をベースにしており、フロントとリアアクスルにそれぞれモーターを搭載してエネルギーを完璧にコントロールするクワトロドライブを採用。システム総合出力は530kW、最大トルクは960Nm、0→100km/h加速はわずか4秒という。なお、グランドスフィア コンセプトでは、高級セダンとして最適な重量配分を実現すべく、容量120kWhのバッテリーモジュールはボディ中央下部に搭載される。

充電機能も重要なポイントで、急速充電ステーションを利用すれば最大270kWの出力で充電可能となっており、300kmの走行に必要な充電をわずか10分で完了する。航続距離も750km以上(WLTPモード予測値)というから、日常使用でも内燃エンジンと同等の利便性を持っていると言えるだろう。

電気自動車用に設計されたサスペンションは、フロントが5リンク、リアがアルミ製マルチリンクで、カメラを介して不整路面を認識して予測制御も行うアクティブサスペンションも備えている。ステアリングには前輪/後輪を制御するステアバイワイヤシステムを採用、4輪操舵により、ロングホイールベースによる取り回しの問題も解決する。

なお、グランドスフィア コンセプトはドイツ・ミュンヘンで2021年9月7日〜17日に開催される「IAA 2021」で公開される。

画像: ダイナミックなアーチを描くリアセクション。未来的だが、伝統的な美しさも感じさせる。

ダイナミックなアーチを描くリアセクション。未来的だが、伝統的な美しさも感じさせる。

画像: 電気自動車のためラジエーターグリルを必要としないが、革新的な解釈でアウディデザインの象徴であるシングルフレームをデザイン。

電気自動車のためラジエーターグリルを必要としないが、革新的な解釈でアウディデザインの象徴であるシングルフレームをデザイン。

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