「温故知新」の逆というわけではないが、最新のプジョー車に乗りながら、古(いにしえ)のプジョー車に思いを馳せてみたい。今回は、最新のプジョー 3008GTハイブリッド4に乗りながら、プジョーの4WDモデルの歴史を振りかえってみたい。(タイトル写真は、上が3008GTハイブリッド4、下が405T16)

先代3008のシステムは、ル・マン参戦マシンと似ていた

「ハイブリッド4」は、実は従来の3008にも設定されていた。現行モデルと異なるのは、モーターをリアだけに搭載されていたこと、しかもディーゼルエンジンだった。ディーゼル+モーターによるハイブリッドというと燃費面で最良の組み合わせともいえる。ただ、リアモーター1基というシステムはハイブリッドとしてはシンプルで、EV走行距離も限られていた。

画像: 先代3008に初めて設定されたハイブリッド4。残念ながら日本には導入されなかった。

先代3008に初めて設定されたハイブリッド4。残念ながら日本には導入されなかった。

従来モデルのハイブリッドシステムは、ル・マン参戦マシンと似た方式ともいえ、前後は逆になるが、エンジンとモーターで前後を分けるのは同じだった。実は3008 ハイブリッド4が発表された2011年頃、ル・マンでも「ハイブリッド4」を冠したマシンを開発していたのだった。

現行の3008GT ハイブリッド4はSUVを名乗っているが、高速ツアラーとしての素性を持ち、デビュー時点でプジョー市販車史上最高出力を誇ってた。ちなみに、現行3008GTハイブリッド4と同じようなシステム構成でさらに出力を高めたのが508PSE(508 プジョー スポール エンジニアード)で、こちらは完全に最新のル・マン用マシンの「9X8」とイメージのうえでリンクしている。

ちなみに、プジョーをはじめとするフランス車で4WDは珍しい。その理由は「舗装化の普及が早かった」とか「積雪がそれほどは多くない」とかさまざまあるが、早くからFFが普及していたことも関係ありそうだ。4WDに及ばないものの、滑りやすい路面におけるFFの走破性能は悪くない。

筆者は冬のフレンチアルプスを何度も訪れたことがあるが、FFのレンタカーで走れなかったことは記憶にない。プジョーのSUVがハイブリッド4以外すべてFFであるのも裏付けがあるわけだ。

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