「温故知新」の逆というわけではないが、最新のプジョー車に乗りながら、古(いにしえ)のプジョー車に思いを馳せてみたい。今回は、最新のプジョー 3008GTハイブリッド4に乗りながら、プジョーの4WDモデルの歴史を振りかえってみたい。(タイトル写真は、上が3008GTハイブリッド4、下が405T16)

最新プジョーの技術を凝縮した3008GTハイブリッド4

3008GTハイブリッド4はSUVであるうえに4WDで電動(プラグインハイブリッド)という、近年のプジョーが力を入れる新基軸をすべて備えるモデルだ。

画像: 3008GTハイブリッド4。基本的なデザインは通常の3008と同じだが、あらためて見ると重量感のある力強いデザインだ。

3008GTハイブリッド4。基本的なデザインは通常の3008と同じだが、あらためて見ると重量感のある力強いデザインだ。

通常のガソリンエンジン搭載モデルより350kg以上重く、車両重量は1850kgもあるため重しの効果で乗り心地はかなり上質だ。しかも重くても走りはけっして悪くなく、高速ツアラーとして終始安定した走りを見せるのはさすがプジョーだ。とはいえこの重量感は、過去のプジョーをよく知る人にとっては「らしくない」ように思えてしまうかもしれない。

モーターによる甚大なトルクで、この重さでも上り坂を平坦路に感じてしまうほどグイグイ加速する。高速道路では、さながら直線番長格の加速力を発揮する。大パワーのSUVは珍しくないとはいえ、こんな流儀で走れるのは、やはりプジョーばなれしている。出力はシステム全体で最高300ps、とくに最大トルクは520Nmもある。発進加速では、0rpmから最大トルクを発するリアモーターによってうしろから強烈に押される感じもあり、標準仕様のFFモデルと比較すると世界が大きく違う。

4WDシステムは前輪をエンジン+モーター、後輪をモーターで駆動するという構成で、その作動パターンはいくつもあり、それが四六時中切り替わっている。モーターのみによるEV走行は64kmまで可能だが、外部からの充電は「普通充電」しかできないので、遠出することを考えるとハイブリッド走行が基本になるだろう。走行モードは、ほかにエンジンを積極的に使う「スポーツ」と、4WD走行主体の「4WD」がある。

「4WD」は、十分な電池残量を残しているときに前後ともモーターで駆動し、充電残量が少なくなるとエンジンの回転を利用してフロントモーターで発電、その電力でリアモーターを駆動する。当然そのときはフロントはエンジン駆動になる。泥濘路からの脱出をはじめとする繊細なトルク制御を必要とする場面でモーター駆動にしたい気もするが、日本仕様には走行中の充電優先モードを搭載されていないので、遠出した先でのEV走行はあまり期待できないだろう。ただ、SUVらしくアドバンスドグリップコントロールでマッドやスノーモードなどを選択できるので、問題ないともいえそうだ。

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