「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、シボレー キャプティバだ。

シボレー キャプティバ(2011年:日本導入予定)

画像: 2分割されたフロントグリルの間にボウタイ エンブレムが備わる、最近のシボレー車に共通したフロントマスク。

2分割されたフロントグリルの間にボウタイ エンブレムが備わる、最近のシボレー車に共通したフロントマスク。

韓国では、いま(編集部註:2011年)若者たちはクルマを所有することに憧れを持っていて、アフターパーツ業界もモータースポーツもヒートアップ。そこで、現地で最新の韓国車に試乗してみることにした。まずは、クロスオーバーSUVのシボレー キャプティバだ。

以前はGMグループのデーウ(大宇)だったが、メーカー名をGM KOREAに一新。そのブランニュー第1号が、このシボレー キャプティバだ。スタイリッシュで使い勝手もいいクロスオーバーは、日本導入が予定されている。

さて、GM KOREAはブランドネームも「シボレー」に変え、3年間のメンテナンスフリー、5年保証、7年のロードサイトアシスタントという、「3-5-7 プログラム」を導入したことで、たったの1カ月で40%も販売がアップしたという。そこに投入されたのが、このキャプティバだ。セダン一辺倒から徐々にSUVに火が点いてきたという韓国の自動車マーケットに、SUVスタイルながらMPVとしても使えるモデルとして登場した。

パワートレーンは、2.2Lディーゼル、2.4/3.0Lガソリンという3種類のエンジンすべてに、6速ATを組み合わせる。今回試乗できたのは2.2Lディーゼルだったが、まず静粛性の高さに驚いた。アイドリング時の音はさすがにディーゼルっぽさを感じさせるが、走行中はまったく気にならず、特有の微振動は少々伝わってくるものの許容範囲にある。

画像: 金属調パーツも多用して、エクステリア同様に都会にも似合うデザインでまとめられているインテリア。

金属調パーツも多用して、エクステリア同様に都会にも似合うデザインでまとめられているインテリア。

シフトショックもほとんどなく、トルクを活かしたスムーズな走行は、ロングドライブでの快適性でアドバンテージが高い。また最近のクルマらしく、シフトスケジュールとエンジンパワーをコントロールするエコモードが搭載されている。これを設定すると低中速域はそのままで、高速域のみパフォーマンスを抑えてくれて楽に省燃費走行できる。少々頭を抑えつけられているような感じはするが、太いトルクのおかげでパワー不足というストレスは、まったく感じられなかった。

足まわりは街中などの低速域ではやや硬めに感じられるほど締まっているが、高速走行となるとアメリカ車らしいたっぷりしたシートのおかげもあり、いたってソフトライド。ハンドリングはステアフィールこそ軽めなものの、センターが甘いということもなく巡航は快適。そして微小舵角の切込みで、スッとクルマの動き出しが早く楽に取りまわせる、最近のアメリカ車らしいものだ。

ユーティリティでの特筆モノは「イージーテック」という機構で実に簡単にできるシートアレンジだ。ラゲッジルームにあるノブを引くと、自動的に3列目のヘッドレストがたたまれて、そのままストンとフラットに。2列目まで倒したときのフルフラットな広さは圧巻だ。このLLクラス ミニバンも真っ青なカーゴスペースを見ても、キャプティバは日本で言うところの、SUVとミニバンのクロスオーバーという位置づけに当たるのが分かる。

日本には(2011年)夏に2.4Lガソリン仕様が導入される予定だ。価格次第では、日本でも人気を呼ぶのではないだろうか。(編集部註:日本では2011年7月に車両価格354万円で発売された)

画像: サイズ的にはランドクルーザー プラドあたりと近いが、最近のSUVらしく車高は少しおさえられている。

サイズ的にはランドクルーザー プラドあたりと近いが、最近のSUVらしく車高は少しおさえられている。

■シボレー キャプティバ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4675×1850×1725mm
●車両重量:1780kg
●エンジン種類:直4 DOHCディーゼルターボ
●排気量:2231cc
●最高出力:120kW<163ps>/3800rpm
●最大トルク:350Nm<35.7kgm>/2000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:横置き4WD
●EU総合燃費:13.0km/L
●タイヤ:235/50R19

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