電動車になっても運転する楽しさを諦める必要はない
こうしたキャラクターに大きく寄与していると思われたのが、508GT HYBRIDが履いていたミシュランのパイロットスポーツ4というタイヤだ。プジョーは、同じフランス生まれのミシュランタイヤを装着しているケースが多く、過渡特性が穏やかでグリップ限界が近づいていることを漸進的に教えてくれるミシュランタイヤの安心感はなにものにも代え難い。
それとともに、同じミシュランでもパイロットスポーツ4というスポーティなタイヤを選んだところに、プジョーが考える508GT HYBRIDの位置付けが明確に現れているような気がする。
システム出力225psのドライブトレーンは、急坂が続くワインディングロードでも十分以上のパフォーマンスを発揮してくれた。「電動車になっても運転する楽しさは諦めない」508GT HYBRIDには、プジョーが考えるそんなメッセージが色濃く込められているように思えた。(文:大谷達也/写真:永元秀和)
プジョー508GT HYBRID主要諸元
●全長×全幅×全高:4750×1860×1420mm
●ホイールベース:2800mm
●車両重量:1790kg
●エンジン:直4DOHCターボ+モーター
●総排気量:1598cc
●最高出力:133kW(180ps)/6000rpm
●最大トルク:300Nm/3000rpm
●モーター最高出力:81kW(110ps)/2500rpm
●モーター最大トルク:320Nm/500-2500rpm
●トランスミッション:8速AT(e-EAT8)
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・43L
●WLTCモード燃費:15.5km/L(ハイブリッド燃料消費率)
●タイヤサイズ:2350/45R18
●車両価格(税込):607万8000円
THE POWER OF CHOICE:ワゴンも3つのパワートレーンから選べる
508はファストバックのほかに、ステーションワゴンの508 SWをラインナップ。いずれもPHEVのGT HYBRID(1.6L 直4ガソリンターボ+1モーター)のほか、GT BlueHDi(2L直4ディーゼルターボ)とGT(1.6L直4ガソリンターボ)を設定し、ユーザーのライフスタイルに合わせて自由に選べる。
360psのハイパフォーマンスモデル、508 PSEの登場に期待
2020年9月、プジョーはブランドの210周年を記念したプレゼンテーションをオンラインで行い、同時にハイブリッド スポーツサルーン/ワゴンの「508 PEUGEOT SPORT ENGINEERED(プジョー スポール エンジニアード)」を発表した。同車はエンジンと前後のふたつのモーターを組み合わせ、最高出力は360ps、最大トルクは520Nmを発生。4輪を駆動して、0→100km/h加速は5.2秒を誇る。フランス本国では受注を開始しているが、日本国内への導入も期待したいところだ。
プジョー 508 ラインナップ
508GT HYBRID(1.6L 直4ガソリンターボ+モーター<PHEV>):607万8000円
508GT BlueHDi(2L 直4ディーゼルターボ):547万1000円
508GT BlueHDi Premium Leather Edition(2L 直4ディーゼルターボ):540万6000円
508GT(1.6L 直4ガソリンターボ):513万1000円
508SW GT HYBRID(1.6L 直4ガソリンターボ+モーター<PHEV>):633万6000円
508SW GT BlueHDi(2L 直4ディーゼルターボ):572万9000円
508GT SW BlueHDi Premium Leather Edition(2L 直4ディーゼルターボ):566万4000円
508GT SW(1.6L 直4ガソリンターボ):538万9000円