「レースウイークを通して進歩を続ける自信はあります」
──モンツァでのレースウイーク前に、来季のアルファタウリ残留が発表されました。
角田裕毅(以下、角田)「それまで100%チームに残留できると確信しているとは言えませんでしたが、ここまでいいパフォーマンスを見せられていたので、自信はありました。とてもうれしいですし、チームとホンダに感謝しています」
──そのイタリアGPでは、予選でトラックリミットによる記録抹消でQ1敗退、スプリント予選ではロバート・クビサ(アルファロメオ)と接触、決勝レースはブレーキトラブルで出走できませんでした。
角田:「モンツァではフリー走行1回目からマシンパフォーマンスはよかったですし、レースに向けてペースを向上させることができていたので、ブレーキトラブルで出走できなかったのは残念です。スプリント予選フォーマットは1回のフリー走行を経てすぐに予選となるのでとても難しいと思いますが、進歩しているところは示せたと思います」
──イタリアGPを終えて、中1週ありましたが。
角田:「モンツァを終えてからは、ほとんどをイタリアで過ごしました。UKのシミュレーターからは離れ、ファクトリーにも行きましたが、ロシアでの1戦に向けての準備はできています」
──ロシアGPが行われるソチ・オートドローモのコースの印象はいかがですか。
角田:「F3時代からソチでのレースを経験していて、2020年のF2でもポールポジションを獲得し、フィーチャーレースで2位に入るなど、いい思い出があります。ソチはほとんどが90度コーナーで、それぞれがとてもよく似ているので、90度コーナーでのドライビングテクニックを磨いておかなければなりません。さらに、ストレートでの速度を稼ぐためにも、コーナー出口でのトラクションが得られるマシンが必要です。普段と同じようなコースに見えますが、市街地コースの特性もあるので、レースウイークを通じたトラックエボリューション(走行ごとの路面の改善具合)がとても大きいですし、ウイングの効果もかなりあります」
──ロシアGPはどのように戦っていきますか。
角田:「ステップ・バイ・ステップのアプローチを継続し、コースやマシンの挙動についてしっかりと学んでいきます。レースウイークを通して進歩を続けて、上手くやれる自信はあります。マシンはシーズン初めからいいパフォーマンスを見せているので、不安はありません。特に、直近の6、7戦は安定してパフォーマンスを発揮できています。自分のドライビング向上に焦点を当てて取り組み、F1マシンで初めて走るソチでの経験を楽しみにしています」
──現行のレギュレーションでは年に一度だけパワーユニットのアップグレードが認められています。そしてホンダはサマーブレイク明けから新型のエナジーストア(バッテリー)を投入。フェルスタッペン選手がベルギーGP、ペレス選手がオランダGP、ガスリー選手がイタリアGPの決勝から使用を開始しています。
角田:「チャンピオンシップ獲得を実現するためには、車体だけではなくパワーユニット側も同様にアップグレードを投入し続けることが必要です。低抵抗で高効率な超高出力軽量バッテリーセルを搭載した新型のエナジーストアはパフォーマンス向上を実現していますから、どこかのタイミングで使用を開始することになると思います」
2021年F1ドライバーズランキング(第14戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)226.5
2位 L.ハミルトン(メルセデス)221.5
3位 V.ボッタス(メルセデス)141
4位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス)132
5位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)118
6位 C.ルクレール(フェラーリ)104
7位 C.サインツ(フェラーリ)97.5
8位 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)83
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)66
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14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)18
角田裕毅 2021年シーズン成績
第1戦 バーレーンGP 予選13位/決勝9位
第2戦 エミリア・ロマーニャGP 予選ノータイム/決勝12位
第3戦 ポルトガルGP 予選14位/決勝15位
第4戦 スペインGP 予選16位/決勝リタイア
第5戦 モナコGP 予選16位/決勝16位
第6戦 アゼルバイジャンGP 予選8位/決勝7位
第7戦 フランスGP 予選ノータイム/決勝13位
第8戦 シュタイアGP 予選8位/決勝10位
第9戦 オーストリアGP 予選7位/決勝12位
第10戦 イギリスGP/ 予選16位/決勝10位
第11戦 ハンガリーGP 予選16位/決勝6位
第12戦 ベルギーGP 予選17位/決勝15位
第13戦 オランダGP 予選15位/決勝リタイア
第14戦 イタリアGP 予選17位/決勝リタイア