「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ランボルギーニ ガヤルドだ。

その豪快なサウンドは、やはりスーパーカーならでは

画像: 車名のとおり570psと540Nmを発生する5.2LのV10エンジンは、5000rpm以上回すと官能的なサウンドに変わる。

車名のとおり570psと540Nmを発生する5.2LのV10エンジンは、5000rpm以上回すと官能的なサウンドに変わる。

ステアリングパドルを引いて1速にギアを入れ、まずはコンソールにある「A」ボタンを押す。eギアと呼ばれるシングルクラッチの2ペダルAMTは、街中レベルでは思ったよりも変速ショックが少なく快適だ。比較的すぐに6速までシフトアップするが、100km/hでのエンジン回転数は2000rpm強と、最近のクルマにしては回転数は高め。ちなみに、街中での燃費は4km/L台と、庶民のお財布には厳しいところ。

高速道路に入ったところで、スポーツモードに入れてみる。途端にエンジン音が変わる。にわかにスーパーカーの雰囲気になってきた。調子に乗ってコルサモードへ。だが、ここで雨がパラパラと落ちてきたので、慌ててオートモードへ戻す。というのもタイヤのパターンが雨にはけっこう弱く、けっこう滑りやすいので、ESPがスポーツモードのままだと少々不安だから。AWDでなかったら、雨の日はかなり気を遣いそうだ。

雨も落ち着き、交通量も減ったところで、少しアクセルペダルに力を込めてみる。途端に「カーン、カーン」とシフトチェンジのたびに小気味良いサウンドが鳴り響く。これぞスーパーカー!と感激する瞬間だ。また、高速での燃費は8km/L台と、思ったよりいい数値だ。

だが、ガヤルドに乗っていちばん感動したのは、サウンドでも、高速での燃費の良さでもなく、ミニバンの車窓から写メを撮っていた子供や、サービスエリアで集まってきた人々など、この日、このクルマを見た人みんなが、笑顔だったことだ。

スーパーカーには人を惹きつけ笑顔にする力がある。こういった混沌のときこそ、スーパーカーは必要不可欠な存在。もちろん、ふだん使いとして考えると不便な点は多いけれど、いつかはオーナーになってみたい! そんな気にさせてくれたガヤルドと過ごした日々だった。

画像: リアも固定式のスポイラーを装着し、バンパー下部はディフューザー形状とするなど、LP560-4と差別化されている。

リアも固定式のスポイラーを装着し、バンパー下部はディフューザー形状とするなど、LP560-4と差別化されている。

■ランボルギーニ ガヤルドLP570-4 スーパーレッジェーラ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4386×1900×1165mm
●ホイールベース:2560mm
●車両重量:1340kg
●エンジン種類:V10 DOHC
●排気量:5204cc
●最高出力:419kW<570ps>/8000rpm
●最大トルク:540Nm<55.1kgm>/6500rpm
●トランスミッション:6速AMT
●駆動方式:縦置きミッドシップ4WD
●EU総合燃費:7.1km/L
●タイヤサイズ:前235/35ZR19、後295/30ZR19
●当時の車両価格(税込):2913万2000円

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