「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ランボルギーニ ガヤルドだ。
ランボルギーニ ガヤルド(2011年:車種追加)
「ベイビー・ランボ」と呼ばれるランボルギーニのスーパーカー、ガヤルドと数日間を過ごすことになった。それも、昨年(編集部註:2010年)に追加設定された軽量化バージョンのスーパーレッジェーラ(イタリア語でスーパーライト:super light の意味)である。
さて、実車のガヤルドは大きく見えるけれど、ボディサイズは全長4386×全幅1900×全高1165mmと、意外とコンパクトにまとまっている。とはいえ、都内の交通事情では、かなり気を遣う全幅だ。しかもただ前に走ることしか考えていないデザインは、斜め後方の視界にはあまり配慮していないし、真後ろもウイングでほとんど見えない。頼りになるのは前方視界と、永年の勘だけか?
しかも、スーパーレジェーラはフルバケットシートを装着しているので、小柄な体格の人だと、けっこうドライビングポジションが決めにくい。座面にクッションを置くなどの工夫が必要になるだろう。オプションでリアモニターは用意されているけれど、バックでの車庫入れも大変。どうしてもバックで駐車しなければならないときは、誰かに後ろを見てもらえるとありがたいだろう。
そんなシートに収まり、イグニッションキーを捻ると、ミサイルでも落ちたかのような雄叫びが鳴り響く。屋内の駐車場だと、かなり反響しそうな音だ。アクセルをあおると、「バワゥッ!」とすさまじい咆哮を上げる。発進前に、コンソールにあるスイッチでノーズを上げる。これで約30mm、車速が30km/hに達するくらいまで鼻先が上がっていてくれるので、たいていの段差はクリアできる。