世界中でセールスが絶好調のメルセデス・ベンツ新型Cクラスに、さらなる追い風をもたらしそうな「隠し玉」が誕生した。Eクラスに続く「オールテレイン」第二弾である。ちょっと背が高くなっただけ・・・では語りつくせない独自の魅力を、Cクラス エステート(ステーションワゴン)&GLCと見比べながら検証してみよう。

メルセデス流クロスオーバーの真髄が、いよいよ日本上陸か

画像: シングルルーバーを配したグリル、ハイグロスクロームのアンダーライドガードなど、野性味あふれるオフローダーの顔を巧みに表現している。ウエストライントリムなどの光沢のあるブラック処理はAVANTGARDE仕様の特徴だ。

シングルルーバーを配したグリル、ハイグロスクロームのアンダーライドガードなど、野性味あふれるオフローダーの顔を巧みに表現している。ウエストライントリムなどの光沢のあるブラック処理はAVANTGARDE仕様の特徴だ。

以前、日本での販売が始まったばかりのEクラス オールテレインでテストドライブに繰り出したことがある。ワゴンモデルに対して30mmほど最低地上高が高められたメルセデス・ベンツ史上初めての「オールテレイン」だ。専用バンパー、ホイールアーチといった「オフローダー風味」のエクステリアアレンジが抜群にスタイリッシュで、確かな格上感を見事にアピールしていた。

その格上感は、見た目だけではなかった。高められたドライビングポジションは、なんとも言えない余裕しゃくしゃくな気分を演出してくれる。普通の車高では気を使うような段差でも、びくびくする必要はない。たかが約30mmされど約30mmの「上から目線」体験はとても新鮮だった。

以来、フォルクスワーゲンならオールトラック、アウディならオールロードクワトロ、ボルボならクロスカントリーと、気になるクロスオーバーモデルがどんどん巷に増えていく。ポルシェがBEVスポーツのタイカンにまでクロスツーリスモを設定するところを見ると、世の中には同好の士が少なからずいらっしゃるようだ。

そんなトレンドを考慮するなら、メルセデス・ベンツの最量販車種であるCクラスにこれまでクロスオーバーモデルが存在していなかったのが、逆に不思議だったと言えるかもしれない。ある意味、満を持しての登場というところだろうか。

オフロード風味のお作法はEクラスのそれを踏襲しているようだけれど、オリジナルとの差別化はかなり幅広い。日本上陸のスケジュールはまだはっきり見えてこないものの、ヒットの予感は揺るぎない。日本人だって、上から目線はたぶん大好きだから。

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